<オープン戦:ソフトバンク2-0日本ハム>◇18日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクが31年ぶりとなるオープン戦10連勝を飾った。秋山監督は「勝つことはいいこと。雰囲気が良くなる」とすこぶる機嫌がいい。特筆すべきは、画竜点睛を欠いた打線だということ。4番李大浩が0本塁打、0打点のまま。今オフに補強した目玉助っ人に結果が出なくても、他球団を圧倒している。

 下位打線で得点できるから強い。2回2死一、三塁から本多の左前打で先制し、4回2死三塁から中村の中前打で加点。「よく打っているからね、みんな。(中村)晃もポンちゃん(本多)も打ち出している」と秋山監督。本多は9番に入って打率6割6分7厘と安定。中村も一時の不調を脱し、1番なら打率3割2分3厘まで上げてきた。おまけにチームで5盗塁。指揮官は「今走らないといつ走るの。本番はもっと走れなくなる」と足でも攻めた。

 動物の絵を描き、最後に瞳を入れる「点睛」の作業は、主砲の仕事にほかならない。その李大浩にも7試合、20打席ぶりの安打が生まれた。3回2死、メンドーサから三塁線を破り、あわや塁審を直撃しようかという鋭い打球を飛ばした。打率はまだ1割2分5厘と低くても、打者として気は楽になるもの。秋山監督も「デホちゃんも1本出た。感じとしてはもう少しだけど悪くない」と大きく心配していなかった。

 残り4試合。今日19日も日本ハムを下せば、77年南海の11連勝に並ぶ。V候補のパワーはまだ全開でないところが、末恐ろしい。【押谷謙爾】