中日岩瀬仁紀投手(39)がプロ16年目で初の開幕登板ピンチに陥った。前日17日に体調不良を訴え、名古屋市内の病院でインフルエンザと診断された。数日間は自宅で静養する予定で、3月28日のシーズン開幕も微妙な情勢。「右肘関節内側の側副靱帯(じんたい)損傷」のセットアッパー浅尾拓也投手(29)に続き、守護神まで…。中日ブルペンに暗雲だ。

 鉄腕が見えない敵に襲われた。絶対的なストッパー岩瀬のインフルエンザ感染が判明した。シーズン開幕が10日後の28日と迫る時期。数日間で完治するとしても、調整を考慮すると、オープニング試合に間に合うかは判断が難しいタイミングだ。

 守護神不在のオープン戦を終えた谷繁兼任監督も浮かなかった。微妙な日数ですが…と問われて「その通りです」と渋い表情。「かかったものはしょうがない。無理してけがというのは一番ダメ。そういうところを見ながらやっていきたい」と慎重だった。

 開幕戦のブルペンには岩瀬がいる。これが中日にとっては当たり前だった。岩瀬は昨季まで15年連続で50試合登板を果たし、開幕は出場選手登録されていた。抑え1年目の04年には、開幕3週間前に左足中指を骨折。「もう治ったつもり」と自分にいい聞かせ、無理やり開幕に間に合わせたこともある。今回はけがではなくインフルエンザと事情が違うが、万全の態勢で臨めないことは変わりない。

 ここまでオープン戦は3試合に登板。例年行っている「連投テスト」を済ませていない。21日に開幕するウエスタン・リーグで登板するプランも持ち上がるほどで、症状が治まれば即実戦とはいかない。

 友利投手コーチは「日替わり定食でいく」と最悪のケースを想定し、プランを明かした。現状の中継ぎは田島、武藤、高橋聡、又吉、小林、パヤノ…。岩瀬が間に合わなければ、中継ぎ陣が日替わりで守護神を務めることになる。

 6日には絶対的セットアッパー浅尾が「右肘関節内側の側副靱帯(じんたい)損傷」と診断されたばかり。キャンプ中はほぼけが人なしと順調だった中日投手陣が度重なるアクシデントに襲われた。【桝井聡】

 ◆浅尾は…

 現在はノースロー調整。キャンプ中の2月20日に右肘の張りを訴え、今季初の実戦形式を予定していた25日のシート打撃登板を回避。今月2日には打者相手に打撃投手を務めるまで回復したが、わずか12球で降板。6日に「右肘関節内側の側副靱帯(じんたい)損傷」と診断され、19日に再検査を受ける予定。手術は回避する方針で、5月中旬の投球練習再開、6月中の1軍復帰を目指す。