大砲が足で2安打!?

 阪神の新外国人マウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ3A)がヤクルトとの練習試合(神宮)に「4番一塁」で出場し、1軍デビューを果たした。注目の打撃は、内野安打2本の3打数2安打。右膝故障で出遅れた不安を全力疾走で打ち消した。守備も無難にこなして走・攻・守にハッスル。開幕4番へ、突っ走る。

 ゴメスの気持ちは高ぶっていた。実戦3試合目で初めて「4番一塁」に座った。試合前練習では自身のフリー打撃が終わっても、ケージ裏で打撃投手のタイミングを計りながら、バットスイングを繰り返した。「見ておけよ」と言わんばかりに、気合満点で第1打席に立った。

 初回2死一塁。ヤクルト秋吉の126キロスライダーをフルスイング!

 打球は上空ではなく、トン、トン、トンと三塁前に転がった。フェイントのような結果にも気落ちせず、104キロの巨体が猛然と一塁を駆け抜けセーフ。出遅れの原因となった右足の故障を感じさせない激走でHランプをともした。仕切りなおしの4回には追い込まれてから、外角低めのスライダーにうまくバットを合わせた。三遊間に打球が転がると再度猛ダッシュ。「不安なく走れた」と間一髪でセーフになった。

 出塁後は二塁、三塁と進み、8番藤井の左前打で本塁生還。ベンチではナインが並んで出迎えた。ハイタッチを交わし終点まで行き着くと、気持ちが高ぶるがあまり、ベンチに入る際に足を踏み外しそうになる場面も。そんなゴメスのハッスルぶりにオマリー打撃コーチ補佐も「ナイスランだったね」と開口一番、激走をたたえた。

 一塁守備は打球こそ飛ばなかったが、無難に5イニングを守りきった。3回には今成のワンバウンド送球を、188センチの巨体を惜しみなく開脚に使いアウトにした。期待通りのホームラン、とはいかなくても必死に役割を実行した。

 ここまで9打席に立ち、投手に投げさせた球数はわずかに22球。「積極的にいく打者だと思っている」と自ら話すように、この日も3打席で6球だった。対戦したヤクルト新人秋吉は「振ってくる。いいところに投げられたと思ったけれど打ってくる。もっと厳しいコースに投げないと」と今後に向けて警戒した。

 今日19日のロッテ戦(QVCマリン)にも3打席立ち、一塁を守る予定だ。「ボールはよく見えた。タイミングが合っていないので、打席に立って開幕に合わせたい」とまだ100%とはいかない。和田監督は「下半身ができてくれば、あれ(ゴロの打球)が上がりだす。変化球にもついていけそうだな」。10日を切った開幕へ、上昇気流に乗っていく。【松本航】

 ◆ゴメスの右膝

 2月23日、オープン戦中日戦(北谷)で試合前の練習途中で右膝周辺の張りを訴え、デビュー戦をドタキャン。キャンプは実戦出場なく終わり、その後もリハビリに専念。3月5日、大阪府内の病院で検査を受け、異常なしの診断だった。