大役は譲らない。楽天則本昂大投手(23)が今日21日、中日戦(ナゴヤドーム)に先発し、オープン戦最終登板に臨む。昨季15勝を挙げ開幕投手の本命候補だったが、前回15日ヤクルト戦で5回6失点と打ち込まれた。対抗馬のドラフト1位松井裕樹投手(18=桐光学園)が結果を出しており、最終決定は持ち越されたまま。則本としては今日の登板で力を見せ、文句なしに2年連続開幕投手の座をつかみたい。

 静かな口調に、負けん気をにじませた。登板前日の20日、則本はナゴヤドームで練習。敵地のマウンドも確認した。開幕投手への思いを問われると、「ここまで(開幕投手をやりたいと)言ってやって来ている。僕自身のオープン戦最後を良い形で、しっかり締めてシーズンを迎えたい。そうすれば、ついてくるものだと思います」と、よどみなく答えた。

 昨季は15勝を挙げた。田中(現ヤンキース)の抜けた今季、すんなり開幕投手に指名されていい立場だった。だが、前回15日ヤクルト戦で5回6失点。制球、球威とも及ばず、9安打を浴びた。対照的に、松井裕は結果を残した。先にオープン戦最終登板を終え、4試合、計16回で、わずか2失点。防御率1・13の好成績だ。これで、開幕投手の座は分からなくなった。

 首脳陣の意見が割れている。星野監督はルーキー松井裕に傾いている。則本の力を認めつつも、「あそこまでやるとは思わなかった」と、予想以上の成績を残した松井裕の可能性にかける思いが強いようだ。反対に、佐藤義則投手コーチ(59)は実績を考慮して則本を推している。この日、開幕投手について同コーチと話し合ったか問われた星野監督は「俺はヨシ(同コーチ)とは断絶しているから」と冗談でかわした。ただ、「則本の登板を見て決めるのか」という質問には、「当たり前だよ」と即答した。今日の則本の投球内容を受け、最終決定が下される。

 則本としては、松井裕に傾いた監督の気持ちをねじ伏せたい。単に0点に抑えるだけでなく、内容でも、松井裕との差を見せつけるチャンスだ。昨季は、WBCの疲労が抜けない先輩の田中に代わり、ルーキーながら開幕投手を務めた。1年後。今度は、自分が年下ルーキーに“追われる”格好となったが、負けるわけにはいかない。「年下とかは関係ないです。1人の投手として」と闘志を燃やした。【古川真弥】