<オープン戦:巨人7-3DeNA>◇21日◇東京ドーム

 巨人の「センター試験」最終模試が、東京・文京区で開催され、橋本到外野手(23)が“A判定”をともした。原監督が「ベストオーダーを組む」と位置付けた試合に、「8番中堅」でスタメン出場。2回に中堅の頭上を越える適時二塁打を放ち、4回には右前打でマルチ安打をマークした。オープン戦は残り2試合。球界屈指の狭き門とされる巨人の中堅争いの合格を目指す。

 橋本が、スコアボードに2度の“H”マークを記入した。東京ドームで開催された「センター試験」最終模試に「8番中堅」でスタメン出場。「いつ打つの?

 今でしょ!」とばりに2安打に加え、第3打席は判定微妙の大ファウルでパンチ力をアピールした。合格圏の“A判定”をゲットしても「みんな打っているので、抜け出したとは思ってないです。もっと、もっとアピールしていかないと」。模試は残り2試合とあって、安堵(あんど)感はなかったが、紛れもなく、難関突破に王手をかけた。

 シーズン開幕も近づき、原監督が「ベストオーダーを組む」と臨んだ一戦。橋本が刻んだ2本の安打は、開幕オーダーの青写真を描かせるものだった。首痛の阿部は欠場したが、3番長野、4番村田、5番高橋由のクリーンアップ。6番ロペス、7番アンダーソンに続き、パンチ力のある橋本が8番なら、もう1つの固まりが生まれ、二枚腰での攻撃が可能となる。橋本が「簡単にジャイアンツのレギュラーを取れるとは思ってないです」と言うように、原巨人の「センター試験」の偏差値は「88」。球界屈指の狭き門に、6年目で初めて足を踏み入れる寸前まで到達した。

 時に厳しく、時に「親身な指導」をしてくれたのが、原先生だった。12日のロッテ戦、2打席連続三振後に懲罰交代。代わりは内野手が本職の藤村だった。「橋本に大きな期待をかけて戦っているのに、打撃が巨人の2番としてふさわしくない」と名指しで指摘された。試行錯誤する中、19日の練習中に助言をくれたのは原監督。「ボールに対して、立ち遅れているぞ。もう少し体の重心を下げて」。指揮官直伝のフォームで2本の安打を重ねた。

 原監督は「見ての通り。良かったですね。取り組んだことが、結果として出た。自信になってくれればと思います」と評価した。ポジションを争う藤村、松本哲も安打をマーク。それでも、エンドランのサインに対応した上で、ともした2回のHランプは“A判定”に値した。「ジャイアンツのレギュラーをかけて、戦っているのは刺激になるし、楽しいです」。残る2戦に、運命をかける。【久保賢吾】