<オープン戦:ヤクルト4-5日本ハム>◇21日◇神宮
キャンプ中から三塁手に挑戦してきた日本ハム中田翔内野手(24)が、28日の開幕戦(対オリックス、札幌ドーム)を左翼で迎えることが濃厚になった。2試合連続の「4番左翼」で出場し、無安打だったが、5回の守備では三塁を狙った一塁走者を封じ、外野ではオープン戦初補殺。栗山英樹監督(52)は明言こそしなかったが、チームの勝利を優先し、開幕当初は左翼に固定させる考えだ。
中田の剛腕が、今季初めて振り下ろされた。5回無死一塁の守備。左中間へ飛んだ安打を素早く処理すると、三塁を狙う“獲物”を視認した。体勢は左に流れ、フォームも崩れる。それでも、小谷野のグラブにワンバウンドのストライク送球。一塁走者、ヤクルト畠山を刺した。11、12年のリーグ補殺王が、外野手として今季初めての補殺。「投手も、寒さで思い通りに投げられない中、何とか助けてあげたいと思っていた。それはよかった」。両腕で力こぶをつくり、スタンドから喝采を浴びた。
三塁手にコンバートされた今季、オープン戦の失策は2つと目立ったものではないが、記録に表れないミスもあった。「(体が)固まっちゃうんだよね。速いのがビュッと飛んできたら…」。チームに迷惑をかけていることを気にし、悩めば悩むほど、打撃にも悪影響を及ぼしていた。
しかし、19日のソフトバンク戦で今季初めて左翼で起用されると、32打席ぶりの1発を含む3安打猛打賞。そしてこの日は、安定した守備で存在感を示した。「やっぱりずっとやっていたところは入りやすい」。苦悩していた姿は、すっかり過去のものになった。栗山監督も「長い距離のコントロールがいいのが翔の特長。(外野の実戦不足でも)それを出せるのはすばらしい。よかったと思う」とたたえた。
三塁コンバートを断念したわけではないが、6日後に迫ったオリックスとの開幕戦は、左翼でスタメン出場することが濃厚になった。指揮官は「チームが勝つためにやる。しっかりと考えていきます」とだけ話したが、今日22日巨人戦も外野で起用される見込み。調整が遅れているアブレイユ、ミランダの状態などにも左右されるが、開幕当初は昨年同様の「4番左翼」に固定されることになりそうだ。
中田
(起用は)監督が決めること。言われたところで準備するだけ。
オープン戦は残り2試合。若き主砲が、開幕モードに入った。【本間翼】<中田の守備変遷>
◆本格特訓スタート
キャンプ初日の2月1日から白井内野守備走塁コーチ兼作戦担当のノック、特守が始まった。
◆初実戦でいきなり
同6日の紅白戦で、三塁線のゴロを半身の体勢からのバックハンドで捕球しようとしたが、イレギュラーもありグラブをはじき失策。
◆悩み深く
3月15日の中日戦(札幌ドーム)で、1死満塁から三ゴロをはじくミス。守備の悩みからか、オープン戦通算31打数4安打と打撃にも影響を及ぼす。
◆自虐的
翌16日の中日戦後、「外野手はクビになったと思っている」などネガティブ発言。
◆初左翼
19日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で今季初の左翼起用。いきなりオープン戦初の3安打に「僕の場合、メンタル的なものなので」。
◆指揮官も悩む
移動日だった20日、栗山監督は中田の起用法に「併用はリスクがある。それを含めていろいろ考えている」。



