<オープン戦:ソフトバンク1-1広島>◇21日◇ヤフオクドーム

 マエケン、開幕OK!

 広島のエース前田健太投手(25)がオープン戦最後の登板で6回1失点と力投した。好調ソフトバンク打線に5回まで毎回の7奪三振。とっさの判断でスクイズを外す場面もあった。今季から習得を目指すスプリットの話題に口ごもったのも本番モード突入のサイン。28日の開幕中日戦(ナゴヤドーム)に向け、本人も納得の仕上がりだ。

 瞬時の判断だった。3回1死三塁。前田は1-1からの今宮への3球目を、スライダーの握りのまま頭の高さに外した。オープン戦では珍しいスクイズを、これまた珍しい投球で見事に外した。79年日本シリーズの第7戦。広島江夏豊はカーブで近鉄石渡茂のスクイズを外したが、そんな昭和の伝説の一場面のようだった。

 「スクイズは頭になかったが、とっさに反応できた。バントの構えとランナーを見てですね」

 無警戒でも体が動いた。もうすっかり本番モードと言えるだろう。空振りした今宮も「スライダーで普通は外せない。あれをやられたらたまったもんじゃない」と脱帽した。

 最速148キロの直球を軸に押した。4回に同学年の柳田に適時打を浴びたが「内容も結果も良かった。狙って取れた三振もあった。真っすぐが両サイドにしっかりコントロールできた」とオフに取り組んできた筋力強化の成果を示した。

 「メドが立っていない」という新球スプリットは、前回15日ロッテ戦に続いて封印したかに見えた。ただ本人は楽しむような顔で隠した。「内緒でお願いします。相手に分からないようにしたいので」。シーズン中も試していくと明言。1週間後の開幕に向け「自分としてはいくつもりでオフから調整してきた。うまくシーズンに入れると思う」。隙のない総仕上げに、納得顔だった。【大池和幸】