<日本ハム8-4オリックス>◇30日◇札幌ドーム

 日本ハムの新外国人、マイケル・クロッタ投手(29)が来日初勝利を挙げた。1点リードの5回1死一、二塁の場面で登板。オリックスの4番ペーニャを空振り三振、5番谷を一ゴロに打ち取り同点のピンチを断った。6回も3者凡退に退け、28日開幕戦に続く完全救援。201センチの長身右腕が、12球団の新助っ人一番乗りのメモリアル勝利でチームを開幕カード勝ち越しに導いた。

 2メートル1センチの長身から繰り出される力強い剛球で、逆流をせき止めた。クロッタがチームを救った。出番は一打同点の5回1死一、二塁。「心の準備は、できていたよ」。前打席で本塁打の4番ペーニャ、5番谷を力勝負でねじ伏せた。大ピンチを切り抜け、6回も無失点。大きなヤマを越えると、12球団の新外国人投手一番乗りというおまけ付きの来日初勝利が待っていた。「すごく気持ちいいし、うれしいね」と笑顔がはじけた。

 試合後は“自習”の成果を披露した。ヒーローインタビューの最後、力強い声で呼びかけた。「ホッカイドウ、イッショニ、ユウショウシマショウ!」。しっかりファンにも伝わり、大きな拍手と歓声がこだました。実は春季キャンプ中からメンドーサとともに日本語の習得に励んできた。1日1単語を覚えるのが目標。独特なイントネーションに苦戦しながら毎日、30分から1時間をかけて異国の言葉と格闘した。

 勉強方法も工夫した。「ありがとう」なら「あり」「がと」「う」と分割してインプット。「言葉が分からないのは、かなりストレスだった」。チームには4人の助っ人がいるが一番積極的に勉強。聞き取りはかなり上達し、今は1人でコンビニなどに買い出しに行けるようになったという。

 自身のメモリアルデーを振り返り「試合中よりヒーローインタビューの方が緊張したよ」と苦笑い。日本での成功を目指し、いかなる場面もどん欲な姿勢の長身助っ人が、最高のスタートを切った。【木下大輔】