さあ来い大谷!

 ソフトバンク鶴岡慎也捕手(32)が古巣撃破に闘志を燃やした。つながるソフトバンク打線は3戦連続2桁安打で開幕3連勝。先発野手でただ1人無安打の鶴岡も、昨季まで受けていた日本ハム投手陣を痛打して挽回する。開幕から連続2桁安打の球団記録は4試合。二刀流大谷も先発予定の今日1日からの3連戦で更新の可能性もある。

 大谷よ、覚悟!

 鶴岡の脳裏には、大谷攻略のイメージがはっきり描かれていた。日本ハムからFA移籍1年目。古巣とシーズン初対戦を前に気持ちが高ぶった。大谷は3日の3戦目に先発とみられる。元女房役は“エア・バット”で打つ構えを作り、体の前の空間を指しながら言った。

 「大谷は打ちたい、打ちたいでいくと、ここらへんで抜いてくるので、グシャッとなる。だから丁寧な打撃が大切です」

 大谷は2年目でスケールアップの可能性が大だが、鶴岡にはバッテリーを組んだという最大のアドバンテージがある。インプットされたデータも可能な限り味方に還元するつもりだ。

 出遅れを取り戻す。3試合連続2桁安打で計36安打と火を吹いた打線の中で、スタメンでただ1人無安打。オープン戦は36打数15安打、打率4割1分7厘と好調だった。3月19日の日本ハム戦では逆転打も放ったのだが…。開幕後は12打席ノーヒット。10年には開幕から26試合連続無安打だった。

 「ここ(ソフトバンク)なら15打席くらいで外されそう。知ってるチームが相手だし何とか打ちたい」

 打てる捕手として期待されて正捕手の座をつかんだ。バットが湿ればスタメン落ちにつながりかねない。古巣に“鶴の恩返し”で危機を回避したい。リード面でも「あのチームは陽岱鋼と中田翔のチーム。この2人はしっかり抑えていきます」とツボを心得ている。

 開幕からの2桁安打が4試合に伸びれば南海時代の84年、ダイエー時代の00年に続く球団タイ記録。2戦目まで無安打だった本多も3戦目で初安打を放った。内川、李大浩、長谷川のクリーンアップ3人が打率5割超と、新記録の期待も大きい。

 「ポンちゃん(本多)に先を越されてしまった。あとは僕がヒットを打てばいい」と鶴岡は言う。日本ハムにも3連勝なら、オープン戦の13連勝と合わせ“19連勝”。非公式ながら、シーズン日本記録が18連勝(54年南海、60年大毎)だから胸を張れる勢いだ。大谷ら日本ハム投手陣を打ち崩し、新たな歴史の扉を開く。【大池和幸】