<DeNA1-2巨人>◇1日◇横浜

 エースの好投が、白星をたぐり寄せた。巨人先発の内海哲也投手(31)が8回を5安打1失点。最速144キロの直球、変化球のキレ、制球ともに抜群の内容だった。2年ぶりに狙った開幕投手の座は2年目の菅野に譲ったが、今季初先発でエースの力を証明した。試合は1-1の延長10回、ロペスの勝ち越しソロで決着し、公式戦では22年ぶりとなるブルーユニホーム復活を祝った。

 エースの意地だった。同点の8回、内海は1番からの上位打線を3者凡退に抑えた。7回に同点とされ、傾きかけた流れを寸断させた。「(7回は)力んだけど、8回は修正できた」。9回2死、代打を送られたが、打席に立つ気は満々だった。延長10回、ロペスの決勝ソロが左翼席に飛び込み、力強く拳を握った。

 30歳を超え、エースの肩書を背負った。「ただ開幕で投げたい、というわけではない」。プライドや名誉に固執するのは、もうやめた。「開幕を狙う」。こう公言したのは、エースとしての使命からだった。

 内海

 いずれは(菅野)智之や(宮国)椋丞、(今村)ノブがチームを背負う時が来る。譲るのは簡単やけど、その壁になるのが僕の使命。僕も先輩から教わったように、巨人の開幕はこんなに尊いものなんだと。だから、僕はこだわる。

 意思を貫いた。シーズンの登板日に合わせ、登板日程を調整する3月中旬、内海は16日のソフトバンク戦での登板を志願した。「監督が決断されるまで、あきらめたくないし、勝負させてほしかった」。18日の西武戦での登板プランもあったが、事実上、開幕の望みが消える。こだわったのはそんな思いからだった。

 開幕の答えが出た後、内海はすがすがしく、こう言った。「智之は結果を残したし、開幕を務めるだけの投手」。そして、表情を引き締め、付け加えた。「開幕投手という役目ではなく、違った形でチームを引っ張る。その方法はたくさんある」。原監督に託されたのは6連戦の頭だった。

 原監督は「内海に4戦目を任せるのは、失礼かもしれない。でも、6連戦の最初で大事な試合なんだ」と語った。7回107球を投げても、マウンドは譲らなかった。それが、内海の答えだった。【久保賢吾】