<ロッテ2-6西武>◇1日◇QVCマリン

 牧やんが救った。西武先発の牧田和久投手(29)が8回5安打2失点の好投で今季初勝利をマーク。1979年以来35年ぶりに開幕3連敗を喫していたチームに今季初勝利をもたらすとともに、伊原春樹監督(65)にも04年のオリックス時代以来、10年ぶりの勝利をプレゼントした。控えめな新選手会長がマウンドで存在感を発揮した。

 牧田が伊原監督から肩を組まれてカメラのストロボを浴びた。左手には「今季1勝目」のウイニングボールをがっちりと握り締めていた。「すごくうれしいし、ホッとしている。長いシーズンの1勝目が、いい形で勝てて良かったです」と118球を投げ終え、心地いい疲労感に浸った。

 落ち着き払った貫禄の投球だった。7回以外は毎回走者を背負った。だが「走者じゃなくて打者と対戦している。ホームにしっかりとしたボールを投げることだけを考えた」。2点リードの6回。味方の失策が絡み、無死一、二塁のピンチに立たされた。1死後、サブローと対戦。5球続けて低めを攻めると、最後はフルカウントから高めの127キロ直球で空振り三振に仕留め、無失点で切り抜けた。

 負の連鎖を止めることが任務だった。チームは35年ぶりの開幕3連敗。どことなく重苦しい雰囲気が漂ったが「3連勝でくるよりも3連敗で投げる方が気持ちは楽」。連勝をつなげるよりも連敗を止めることの方が、プレッシャーがかからないと、独特の発想で臨んだ。マウンドでもピンチはチャンスと証明するかのように巧みな投球術で要所で3併殺が光った。

 新選手会長として伊原第2次政権に初勝利をもたらした。「僕は選手会長をやるキャラじゃない。リーダーシップって言われても…」と率先して先頭に立つタイプではない。ただ、チームの一員としてグラウンドで自身の力を示し役割を全うした。

 監督として10年ぶりの勝利を挙げた伊原監督は「いつかは勝つからね。今日はマッキー(牧田)が粘っていい投球をしてくれた」とたたえた。記念球を牧田から差し出されたが拒み、「もらっても屁(へ)の突っ張りにもならない。選手会長が今季初勝利。今日はマッキーですよ」と褒めちぎった。【為田聡史】