<阪神15-0中日>◇2日◇京セラドーム大阪

 とどめを刺したのは阪神新井貴浩内野手(37)だった。6回、5点リードとしてなお2死満塁。代打で登場し、初対戦の中日又吉の変化球を捉えた。打球はぐんぐん伸びて、中堅の頭上を越えた。走者一掃の二塁打だ。

 「岩崎が初登板でいい投球していたので、なんとか追加点を取りたかった」

 開幕第3戦、大竹から本塁打を放ったのに続き、この日も決定的な仕事をした。スタメンはまだ1度もなし。それでもわずか4打席ですでに5打点。まさに“最強の補欠”だ。

 現在の新井を物語るデータがある。開幕から4打席、全11球、新井は1球もストライクを見逃していない。又吉との勝負も全4球、すべてスイングした。3球目までは外角に制球されたボールを空振り、空振り、ファウルで追い込まれた。だが、最後に外を狙った球がわずか中に入ったところを一撃で仕留めた。

 「振って、振って、タイミングを取っていくイメージ。今は振れる体勢にあるということだよね」

 打者はタイミングが合わなければスイングできない。逆にすべてのストライクを打ちにいけるのは理想と言える。だから失投を見逃さない。早く、ゆったり左足をあげる新打法が、あらゆる球種への対応を可能にしているという。

 「できるだけ数多く走者をためて、新井を立たせる展開にしたい」。和田監督も切り札としての信頼感を口にした。相手投手は1球のミスが命取り-。新井のすごみが際立った。【鈴木忠平】