<阪神7-4中日>◇3日◇京セラドーム大阪
阪神がさまざまなダメージを振り払った。福留孝介外野手(36)の1号2ランなどで、今季初のカード勝ち越し。巨人との開幕3連戦で負け越した上に、西岡が肋骨(ろっこつ)骨折などで離脱。その西岡と激突したベテランの古巣からの初アーチなど前夜大勝の勢いのまま連勝し、勝率を5割に戻した。
背中で背負う重責がある。待望の今季1号アーチにも、福留は簡単には笑わない。黙々と4つのベースを踏んだ。5点リードの4回1死一塁。山内の初球を容赦なく強振する。完璧な2ランで中日を突き放した。「俺はプレーしている。剛(西岡)はああいう性格だから、自分のことより人のことを心配する。少しでも早く安心させられる1本を打てて良かった。僕としても一番、気になるところなので」と安堵(あんど)感に浸った。
西岡へのエールだった。3月30日巨人戦(東京ドーム)の2回、右翼守備中に交錯した西岡は肋骨(ろっこつ)骨折などで入院中だ。自身は幸いにも、胸部の打撲で済んだ。救急車へ運ばれていく西岡を最後まで見送ったのも福留だった。連絡を取ったという。「少しずつ元気が出ている、と言うしね」。グラウンドで暴れ回る姿を見せることが何よりの励ましになる。
開幕から調子は上がらない。前日2日は休養。試合前まで打率1割6分7厘で、この日も好機で凡退した。実は打席に入る直前、ある決断を下していた。一塁側ベンチ。立てかけたバットを選ぶ際、今年初めて黒褐色タイプを手に取った。開幕からずっと白木を用いてきた。打者はフィット感など繊細な感覚を重視し、頻繁にバットを替えない。不安に打ち勝とうと必死なのだ。確かな手応えを求めて「相棒」を替えていた。
打率1割9分8厘だった昨季からの復活に懸ける。誰よりも早く、今季に向けてスタート。昨年10月、CS広島戦に2連敗した翌日から肉体をリセットするため、鳥谷に勧められて断食に取り組んでいた。4日間、酵素ドリンクだけで過ごす。「特に夜はきつい。家族は普通にご飯を食べているし、気を使ってくれていた。家族が食事の間は、1人でずっとドライブしていた」。退路を断つ姿に、覚悟がにじむ。
和田監督も「あの2ランも大きかった。足の状態もあるので人工芝が続くと休みを入れながら。休んだ次の日に打ってくれるとね」とたたえる。日本で199本目のアーチは古巣中日から初めての1発。V奪回にスラッガーの復活は欠かせない。【酒井俊作】



