<ソフトバンク5-4日本ハム>◇3日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクが今季初のサヨナラ勝ち-。1点を追う9回、日本ハムの守護神武田久をミスから攻略した。中村の適時二塁打で同点とし、最後は1軍最年少の今宮健太内野手(22)が自身2度目のサヨナラ安打を右前に運んだ。1点ビハインドでも7回から「勝利の方程式」を繰り出す執念の継投もピタリ。連敗を2で止めた。

 ベンチが空っぽだった。一塁を回った今宮めがけてナインが駆けた。輪になってサヨナラの感覚に久々に酔った。「今まで全然打ててなかった。先輩たちがつないでくれたので、打てて本当にうれしい」。殊勲打の今宮は1軍最年少。先輩たちに手荒くひっぱたかれても、心地よかった。

 9回。先頭の柳田が一ゴロで全力疾走し、武田久の失策を誘発してセーフとした。犠打で二塁に進め、中村が右翼線へ同点の適時二塁打。今宮はカウント2-1から武田のやや外寄りの直球を仕留めた。「その前にレフトにファウルしてセンター、センターと思っていた」。おっつけた打球は右中間へきれいに伸びた。

 2度の好守をした一方、7回は送りバント失敗。この3連戦無安打で「僕の仕事ができていなかった」。早出特打では藤本打撃コーチが投じるワンバウンドを打ち、体の突っ込みを修正。「今年一番の自分の描くヒットが打てた」。13打席ぶりに聞いた快音はその内容にも重みを感じていた。

 サヨナラ打の前もベンチが空っぽになった。4回。今カード2個目の死球を受けた柳田が、ヘルメットをたたきつけ、怒った。投手方向へ歩みだすと、両軍でもみ合いへと発展。公私で仲良しの先輩の急変に今宮は「ビックリしましたよ。驚きました。でもあれで点が入りましたしね」。警告試合が宣告される緊迫戦を制したのは大きい。

 Bクラス転落の昨年は1点差ゲームは17勝26敗と苦手。今年のチーム力が試される条件設定だった。相手守護神を攻略し、再逆転でのサヨナラ勝ちだ。「3連敗はできなかった。勝ちパターンの投手をつぎ込んで、大きいんじゃない」。秋山監督は流れを分岐させる、勝負手を打っていた。1点ビハインドの7回から岡島、五十嵐、サファテの勝ちパターンの継投。敗色の漂い始めたベンチで発した“メッセージ”をチーム全体で共鳴できた。

 試合前。6日で52歳となる指揮官の祝福会が催された。今日4日から東北遠征のため、球団から一足早いプレゼント。孫オーナーからドンペリ、後藤球団社長から高級チョコレート、社員一同からケーキを贈られた。「今日は勝つ」と約束し、格好いい勝利で応えてみせた。【押谷謙爾】