<ヤクルト5-2阪神>◇4日◇神宮
連勝も止まった。貯金も失敗した。でも、4番はまた打った。阪神マウロ・ゴメス内野手(29)が開幕からの連続試合安打を7に伸ばし、球団新外国人の新記録をマークした。8回、ヤクルトに1点差と迫る適時打。キャンプで出遅れ、オープン戦もケガでほとんど欠場した4番が、いまや頼れる主砲だ。今日は勝利に導くアーチが見たい!
敗戦のなかの収穫が虎を前進させる。4番ゴメスが「威圧感」で阪神新外国人の新記録に達した。3打席無安打で迎えた8回1死一、三塁。打席で構えると、ヤクルトバッテリーがこの日初めて、初球に外角球を選んだ。そのスライダー系を迷わずに振り抜き、ライナーで中前へ。タイムリーで1点差に迫った。
「前の打席でも、だいぶ球数を見て、タイミングも合ってきた。最初の3打席は内角が多かった。甘めの球が来たら、積極的にいくと決めていたんだ」
開幕から7試合連続安打をマークした。3打席目まで初球はすべて内角球。最後だけ外角に配したのは伏線があった。6回、三ゴロに打ち取られる直前、内角球を三塁側席へ大ファウルしていた。8回は一発で逆転するケースだ。豪快なスイングを見せつけ、ヤクルトバッテリーの警戒を誘った。敵を威圧する4番のオーラが打たせた快打だ。
長い球団史に名を刻んだ。7戦連続安打は阪神の日本球界1年目の外国人では誰もなし遂げていない。それでも、クールに言う。
「いい感じで続いているよね。たまにボール球に手を出すこともあるけど、甘い球を打とうと心掛けている結果だよ。記録のことは考えていない。チームの勝ちに貢献するだけだよ」
好調のキーワードは「2本の足」だった。開幕前のゴメスは「聞き魔」になって教えを請うた。オープン戦残り3戦の12打席で6三振したのが教訓だった。その直後、2軍戦が行われたナゴヤ球場では掛布DCに助言を授かる。「軸足にしっかり(体重を)残しなさい。前に行ってしまっている」。軸の右足を安定させると今度は踏み込み足だ。開幕前日から大胆にもタイミングの取り方を変えていた。東京ドームでのフリー打撃。小刻みに左足を上げながら、投手と間合いを図る。投手との微妙な駆け引きを制するため、本番ギリギリまで工夫を凝らした。
順応力の高さを示し、一筋縄でいかない存在になりつつある。6回も必死に低めの変化球を見極め、小川に9球投げさせた。このしぶとさが前途を明るく照らす。さあ、あとは豪快弾を待つだけだ。【酒井俊作】
▼ゴメスが開幕戦から7試合連続安打。70年バレンタイン、05年スペンサー、10年マートンらの6試合連続の球団記録を更新した。開幕7試合消化時の安打、打点、本塁打を比較するとゴメス[安]9[点]6[本]0マートン[安]11[点]2[本]1バレンタイン[安]7[点]2[本]0スペンサー[安]7[点]4[本]2
なお開幕からの連続試合安打のプロ野球最長は97年和田豊(阪神)の24試合。



