<ヤクルト5-2阪神>◇4日◇神宮

 阪神マット・マートン外野手(32)の大奮闘も及ばなかった。最多勝右腕、ヤクルト小川には昨季11打数8安打、打率7割2分7厘と打ちまくった。その相性通り、この日も2回に二塁打、5回に二塁打、6回には右前適時打とチャンスをつくり続けた。

 「去年と変わらない。ストライクゾーンに入ってきたら積極的に振りにいこうと思っていた。ボールだったら見逃すだけだよ」

 多彩な球種と、制球力に他の打者が苦しむ中で完全に相手を圧倒していた。ただ、後続の6番福留、7番今成が打てず得点には結びつかなかった。強風が吹き荒れた花冷えの神宮に、マートンの奮闘ぶりだけが目立つ結果となった。

 だが、よりによって絶好のチャンスで快音が止まってしまうとは皮肉すぎた。1点差に迫り、なお8回1死一、二塁。4度目の打席が回ってきたが、東都の虎党のボルテージも最高潮に達した中、打球は遊撃の正面をついて併殺打。大きなため息に包まれた。

 「ああなってしまったけど、打てるボールをしっかりスイングできた。残念な結果だけど、打てる球を強く打つことはできたよ」

 これで対小川は15打数11安打の打率7割3分3厘となった。この先、何度も対戦するであろう難敵をカモにしているマートンの存在は、頼もしい限りだ。【鈴木忠平】