<中日3-5巨人>◇5日◇ナゴヤドーム

 巨人が中日との“因縁対決”を制して5連勝とした。試合前に中日の練習の妨げになると、アーリーワークをブルペン内に移動させられる騒動から戦いが始まった。昨オフに中日を退団した井端弘和内野手(38)が古巣相手に初スタメンで、いぶし銀の活躍。最後は守備のミスで同点を許した片岡治大内野手(31)が延長10回に決勝打を放ち、接戦を制した。

 因縁がグラウンドに渦巻いていた。延長10回2死二、三塁で打席は片岡。8回の守備で谷繁兼任監督の一、二塁間を襲うゴロを追いつきかけながらも腰が高く、はじき同点とされていた。失策はつかなかったが、背負うものがあった。田島の低めの148キロ直球を、まさに自分がミスした一、二塁間へ、はじき返した。「絶対にやってはいけないプレーだった。準備不足。でも運良くチャンスが回ってきたので何とか打ちたかった」。決勝打にも神妙だった。

 試合前、不穏な空気が流れた。中日練習中に行っていた三塁後方ファウルゾーンでのアーリーワーク。体をほぐしていると、中日達川バッテリーコーチが内藤トレーニングコーチを呼び屋内で行うように要請。その箇所で練習を行うため、が理由だった。結局、いつもは30~40分かけ入念に行う準備を15分ほどでブルペン内への移動を強いられた。

 中日の練習時間で相手に優先権はある。だが昨年はアーリーワークを認められていた。達川コーチがファウルエリアで松井雅捕手へのノック練習を行った時間は、10分に満たない。言葉に出す選手はいなかったが、紳士的には感じられない仕打ちに、ひそかに燃えた。

 静かに闘志を燃やす男が、スタメンに名を連ねていた。昨オフに中日から大減俸を提示され、退団した井端だ。古巣戦初先発。7回にボテボテの三塁内野安打で3点目のホームを踏んだ。オフの名コンビ荒木とのトークショーで「まずは中日戦でのスタメンが目標」と話していたベテランは「勝って良かった。力みましたけど」と振り返った。

 因縁を振り切り、5連勝とした。「厳しかったが、うちがやや粘ったというところでしょう」。原監督は、チームのたくましさを感じていた。【広重竜太郎】