<ロッテ3-2日本ハム>◇5日◇QVCマリン

 ロッテのドラフト4位伝説は今年も生きていた。吉原正平投手(24)がパ・リーグの新人勝利に一番乗りを果たした。2-2の同点で迎えた7回に登板。無失点に抑え、その裏の勝ち越しを呼んだ。前夜(4日)は同じ日本生命の井上晴哉内野手(24)がお立ち台に立った。開幕から5連敗を喫したロッテだが、連日の新人パワーで巻き返しへの弾みをつけた。

 

 試合後のヒーローセレモニーで吉原は、スタンドから温かいブーイングと笑いを呼んだ。左翼席にいるファンにもボールをプレゼントしようと中堅まで走って投げ込んだ…はずがフェンスに当たって落ちたからだ。「届きませんでした」と言って苦笑い。勝利も9回まで知らなかった。何もかもが初々しい。

 だが、マウンドは違う。7回2死二塁で迎えた同い年の主砲中田との対決。ベンチからの指示は「歩かせてもいい」だった。しかし真っ向勝負を挑んだ。直球で内角をえぐる。最後はど真ん中高めの141キロ直球で二ゴロに抑えた。「気持ちは乗っていたけど、高めでは精度が悪い。打たれても後悔はしないけど、打たれちゃいけない。反省しないと」。

 1日の西武戦で2回3失点と打ち込まれた。その試合後、川崎投手コーチからお目玉を食った。同じ九州男児だ。「北九(州)男が気持ちで負けるな。ぶつけて何かなったら、みんなが助けてくれる」と尻をたたかれた。その言葉が中田への直球に乗り移っていた。

 前夜(4日)は井上で、この日は自分がお立ち台に立った。「晴哉(井上)は本当にすごいんで。晴哉がヒーローになれるように僕が0点に抑える。2人で力を合わせて1勝に貢献したい」と力強く言った。QVCマリンへのアクセスがいい東京・葛西への引っ越し準備も進めている。もうすぐ7カ月の長男も野球に興味を示し始めた。野球に集中できる環境が整いつつある。ロッテは新人パワーで息を吹き返した。【矢後洋一】