<ヤクルト12-11阪神>◇5日◇神宮

 メガホンが飛んだ。打てども打てども追い付かれた。歴史的な逆転負け。虎党から敗軍の将へ厳しい言葉が飛んだ。「11点取って勝てんのか!」。1回の3点先制も、5回の4点逆転劇も実らなかった。マートンが7打点たたき出しても勝てなかった。2桁得点での黒星は8年ぶり。普段は冷静に振り返る阪神和田豊監督(51)も、短く会見を切り上げた。

 和田監督

 今日だけじゃなく、ここんとこずっとだからね。どんな試合にしても、いっぱいいっぱい。(先発が崩れて)典型的な試合になった。

 指揮官が嘆くほど、また投壊症状が出た。3点もらった先発秋山が直後にいきなり4失点。2回にも2点を失い早々と降板した。負への流れは「方程式」でも同じ。逆転した5回から安藤、加藤、福原と必勝リレーでつないだが、今季8試合中7度目の2桁被安打。得点の度に響くヤクルト応援団の「東京音頭」も、最後はお疲れ気味だった。

 投手陣を預かる中西投手コーチは「話にならん。6点やぞ。3点取ってもらって。準備期間、何しとったんや」と背信の秋山へ怒りが収まらなかった。方程式のベテラン3人を投入する万全の構えも、守護神呉昇桓は「持ち腐れ」になった。チーム防御率は再び7点台へ突入。毎日ラグビーのようなスコアで戦い、手薄な救援陣に疲労がたまる悪循環になっている。

 和田監督

 一回りするまでは落ち着かないから。3つ負けるわけにはいかない。明日何とか取るだけ。

 1点及ばなかった。最後に三振した藤井の後ろには、代打で福留が準備していた。昨季16勝7敗1分けの「お得意さま」に、心身グッタリとなるダメージ大の連敗。まだ8試合とはいえ、借金2となった。開幕前の予想以上に打線が振るい、予想以上に投手が散々な虎のスタート。桜満開の神宮外苑で、散っていくわけにはいかない。【近間康隆】

 ▼阪神が2桁得点しながら敗れたのは、06年8月18日ヤクルト戦(神宮)以来、8年ぶり14度目。今季8試合を消化し、2桁失点は早くも4度目。また8試合の被安打数は「14」→「16」→「17」→「13」→「6」→「11」→「10」→「19」と、1桁安打に抑えているのは1試合しかない。今季通算被安打106は12球団唯一の3桁、58失点も両リーグ最多、チーム防御率7・41も12球団ワーストと、投手陣の不調は際だつ。