G倒でプロ初星だ!

 広島のドラフト1位大瀬良大地投手(22=九州共立大)が明日9日巨人戦(東京ドーム)で今季2度目の先発マウンドに立つ。7日、マツダスタジアムで調整を行った大瀬良は「ボクは相手が強いほど燃える」と言い切り、巨人を倒してのデビュー星を誓った。

 大瀬良は頼もしい男だ。入念なアップにストレッチ、そしてブルペンで57球の投球練習を終え、東京へ向かう直前だ。報道陣に囲まれ、初めて戦う巨人への思いをキッパリ口にした。

 「ボクは強い相手であればあるほど燃えるタイプです。だから、ひるむことはありません」

 最近では自分の思いを表現することにためらう若者も多いが大瀬良は違う。広島ファンが注目する最初の東京ドーム決戦に向かっていく心意気を明かした。

 九州共立大2年の秋、明治神宮野球大会。創価大と対戦し、好投したが打線はエース小川(現ヤクルト)の前に完封での敗戦を喫した。

 「それがすごく悔しかったんです。だからそのオフから必死で練習して次は勝ってやろうと思った」

 有言実行で、3年春に全日本大学選手権で創価大と対戦。今度は見事に完封勝利を収めた。口先だけではなく強い相手に燃えるというのは経験からきている。

 27年ぶりに開幕から3カード連続勝ち越しと波に乗る広島だが、今季初めて乗り込む東京ドームは鬼門だ。昨年のクライマックス・シリーズファイナルステージで3連敗、シーズンでも3勝8敗1分けと大きく負け越した球場。だが大瀬良はここにもいい思い出がある。

 大学2年の春に全日本大学選手権で同大と対戦し、勝利。そこには巨人のルーキー捕手・小林がいた。東京ドームで、小林がマスクをかぶるチームに勝っているのは心強い限りだ。

 自身はデビュー戦となった2日ヤクルト戦で7回5安打2失点と好投。チームもサヨナラ勝利を収めたが、大瀬良に白星はつかなかった。それでも気負いはない。

 「勝ちたいのは当然ですけど、正直、初勝利どうこうという実感はないんです。チームが勝って自分に勝ちがつけばいいなと思います」。若いチームの勢いをそのまま表しているような大瀬良が東京ドームのマウンドに立つのは明日9日だ。【高原寿夫】