ソフトバンク摂津正投手(31)が攻めの投球で、昨季の「悪夢」を払拭(ふっしょく)する。チームは今日8日から西武3連戦(西武ドーム)。摂津は今季初の中5日で10日に先発する。昨季の印象に残った試合に4回4失点KOされた最終登板を挙げたエース右腕は同じ相手、同じ舞台で“リベンジ”を狙う。

 責任感の強い摂津なら、きっとやり返すはずだ。昨オフ、印象深い試合に10月3日の西武戦を挙げた。それはCS進出圏内を争っていたシーズン最終盤。11年の先発転向後、CSを含んで8連勝中だった西武ドームでまさかの4失点KOを食らった試合だった。

 「そんなことも言いましたね。自分のピッチングをするだけ。勝ち続けるためにやっている。負けていいことなんて何もないですからね」。春の陽気に包まれた西武第2球場での投手練習は穏やかな顔。苦い記憶について聞かれると、やや眼光が鋭くなった。

 その試合は勝ち負けがつかず、同球場の無敗は継続。ただし「防御率もそんなに良くないし(昨季は4・91)得意というわけでもない」。いずれにせよ、借りを少しでも返せる同じ舞台が今季3戦目で訪れる。

 ここまで1勝1敗の防御率4・97。そして、初の中5日登板に向かう。「特に問題ない。まだ2試合しか投げてないし、疲れとかないですから」。最下位の相手はチーム打率1割台と振れていないが「鬼崎が調子いい。浅村もいる」と研究にぬかりはない。

 ただ、四球が12回2/3で計7個と目立っている。「調子がいい打者を気をつけるのはもちろん、その前に無駄なランナーを出さないこと。慎重になりすぎているので、もうちょっと大胆に攻めたい」。前回4日は、楽天に5四球を与え6回4失点で黒星。新球のカットボール、シュートを減らしたが、今回も緩急を使いながら、より強気に攻める。チームは2カード連続の負け越し中。同じく波に乗り切れない右腕が、浮上のきっかけをつかむ。【大池和幸】