<巨人5-1広島>◇9日◇東京ドーム

 衝撃のデビューを飾った。巨人クリス・セドン投手(30)が8回2/3を1失点に抑え、来日初先発で初勝利を挙げた。5者連続三振を含む毎回の15奪三振をマーク。130キロ中盤の直球を軸に、多彩な変化球でベース板を支配した。「自分の思い通りのピッチングができた。支えてくれたチームメートに感謝します」。巨人史上初の来日初先発初完封まで、あと1死に迫る快投だった。

 昨季、韓国SKで最多勝を獲得。実績をひっさげ、巨人に入団したが余計なプライドは捨てた。実戦に入って、セットポジションでの投球で不安を露呈。1試合2度のボークはショックだったが、素直に受け入れ、必死に練習を繰り返した。「自分のポリシーもある。だけど、日本の野球を学ぶ必要はある」。自分の意思で巨人でのプレーを決めた。迷いはなかった。

 外見でもそうだった。入団会見の前、トレードマークだったロングヘアを短髪に変えた。「妻は短い方がかっこいい、と言ってくれるんだけど、僕はやっぱり長い方が好きだよ」と苦笑いだったが、自らのポリシーは捨て、“常に紳士たれ”の球団方針に従った。「巨人で野球をやると決めたから」。答えは至ってシンプルだった。

 スタンドからはシャイロ夫人と長女フェイスちゃん(1歳)が観戦。マシソンが「家族を愛していて、休日はいつも家族と一緒みたいだよ」と目を細める愛妻家は、家族に記念の1勝をささげた。原監督は「本当に素晴らしいデビュー。1球1球の精度が非常に良かった」と賛辞の言葉を並べた。マウンドでは「結果が良くても、悪くても、どういう感情かわからないように」と貫いたポーカーフェース。お立ち台では「素晴らしい気分」と笑顔でいっぱいだった。【久保賢吾】

 ◆クリス・セドン

 1983年10月13日、米カリフォルニア州生まれ。01年にドラフト5位でレイズ入団。07年にマーリンズでメジャーデビュー。マリナーズ、インディアンスを経て、13年に韓国プロ野球のSKに移籍。14勝で最多勝。メジャー通算は38試合で2勝3敗、防御率5・47。左投げ左打ち。193センチ、100キロ。