<オリックス3-6ロッテ>◇9日◇京セラドーム大阪

 ロッテがオリックスの連勝を止めた。その流れを作ったのは、大松尚逸内野手(31)のひと振りだった。2日の西武戦以来、今季2度目のスタメンに抜てきされると、2回に右翼席への先制弾を放った。2シーズンぶりの1発は、チームメートを喜ばせ、打線を勢いづけた。

 今季から新たな打撃フォームに取り組んでいる。右足を投手方向に向けて上げる。「左足の股関節、太ももに、しっかりと体重を乗せるのが狙いです」。そこから一気に、爆発的なスイングを繰り出す。背番号も同じ10番。巨人阿部のフォームとそっくりだった。

 大松は阿部をまねしたわけではない。このフォームには自力でたどり着いた。昨オフの自主トレで、左足にしっかり乗れるフォームを模索しているうちに、この形になった。阿部のフォームであることには、その後で気がついた。

 オープン戦で阿部と会った時、軸足に体重を乗せる感覚を説明した。「その考え方と感覚で間違ってないよ」と、お墨付きをもらった。「状態が悪くなるとどんな形になるかとか、具体的なアドバイスもいただいた。ありがたかったです」。進むべき道が見えた。

 ここ数年、極度の不振に悩まされた。いちるの望みにかけての打撃フォーム改造だった。2月のキャンプでは、清原和博氏(日刊スポーツ評論家)から「俺はお前のバッティングが好きだ。40本を目指せ。30本は打てる」と激励され、今季に懸ける思いを強くした。

 もがいて出した答えを「合ってる」と言ってくれる人がいた。「好きだ」と評価してくれる人もいた。それが復活への原動力になった。「いやあ、久しぶりのホームランの感覚でした」。勝利に貢献できた喜びが、言葉ににじんだ。【竹内智信】