<阪神4-3DeNA>◇9日◇甲子園

 ヒヤヒヤだけど、勝てばよし!

 阪神の新守護神、呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)が3点差の9回に、公式戦で初めて甲子園のマウンドに上がった。適時打と暴投で1点差に詰め寄られたものの2セーブ目を挙げた。

 勝利の瞬間を待っていたジェット風船が何分間も揺れ「あと1人コール」が幾度となく繰り返された。ようやく試合を締めると、呉昇桓は右手を胸にやり、マウンドに集まったナインに指を立てて謝った。汗だくの新守護神はヒヤヒヤセーブを開口一番に謝った。

 呉昇桓

 ファンのみなさんがジェット風船を持って、あと1人とコールしていたけど、長くなってしまって申し訳ない。

 甲子園での公式戦初登板は一筋縄ではいかなかった。長袖を身にまとい、手に息を吹きかけながらの投球だった。何度も滑り止めに手をやり、足元をさかんにならした。だが1死から多村に左前打を許すと、2死をとってからも荒波に左前打を打たれた。2死一、二塁とされ黒羽根に中前適時打を浴びる。2点差でなおも一、三塁。さらに暴投で1点差に詰め寄られた。

 呉昇桓

 悪かったから点をとられてしまったと思います。今日の場合はコントロールミスで打たれてしまった。高さですね。それはしっかり分かっています。

 4試合登板し、これまで1度も3者凡退がない。ただ、ヒヤヒヤさせたが、セーブ失敗はしない。和田監督も「波に乗りきれない部分があるけど、最後はしっかり抑えてくれた。毎日出せるような試合がしたい」と同点にされなかった投球を評価。中西投手コーチも「(甲子園)初というのもあったんだろう。冷や冷やさせるな」と一安心だ。

 負けない強さは家族と時間を共有することで蓄えた。3月28日の開幕戦から、両親と親戚が韓国から応援に駆けつけていた。約1週間ほど滞在し移動日には大阪梅田まで寝具を買いに出かけた。家族はホテルではなく、呉昇桓の自宅に寝泊まり。さらに「オモニ」が韓国から持参したキムチに舌鼓を打ち、パワーを蓄えた。守護神は負けないことが何より重要。次回こそジェット風船を気持ちよく飛ばさせてくれるはずだ。【池本泰尚】