<中日8-6ヤクルト>◇10日◇ナゴヤドーム

 「真の4番」に1歩近づいた。中日平田良介外野手(26)が鮮やかなV弾を放った。6-6の同点の8回無死一塁。フルカウントからヤクルト石山のスライダーをすくい上げだ。「(本塁打の)感触はありました。入ると思った。打ち方も良かったので」。打球はナゴヤドームの歓声に包まれて左翼席へ。豪快な2ランで主砲が試合を決めた。

 ヒーローは紛れもなく背番号6だった。この日は1回の右前打から始まり4長短打に1四球と全打席出塁。前日9日の最終打席で放った二塁打から、5打数連続安打となった。プロ初先発の若松が4回3失点で降板。両チーム合わせて30安打の打ち合いで、5回から中継ぎをつぎ込む“消耗戦”だった。試合終盤に飛び出した4番の1発は連戦を戦うチームにとって意味のあるアーチだった。

 谷繁兼任監督も孝行息子を褒めた。「(カウント)3-2までもっていったので、何とかつないでくれるかなと思っていた。(本塁打は)予想してなかった」とビックリ。最初は「まだ12試合だから」と厳しかった表情も、「今日は4安打?

 今日はすばらしい仕事です」と思わず笑顔に変わった。これで今季初の4連勝。勝率も5割と息を吹き返した。

 試合後の平田はいつものフレーズを繰り返した。お立ち台では「少しは真の4番に1歩近づいた」とコメント。最近、頻繁に使う「真の4番」という言葉をまた口にした。「みんなから打ってくれると期待されるのが4番。今日が長い階段の1歩かなと思う」。4番が打てば試合が決まる。4番が打てばチームが乗る。主砲が作った波に乗り、今日11日からは広島に乗り込む。2年ぶりの貯金まで、もうすぐだ。【桝井聡】