<日本ハム5-3楽天>◇10日◇札幌ドーム

 くるりと腰を回転させて放った打球は、圧倒的に多い女性ファンの黄色い歓声とともに、一直線に右翼席へと突き刺さった。日本ハム西川遥輝内野手(21)は「陽気に打席へ入れました」と、逆転の2号3ランに照れ笑い。2夜連続で3番に座り「監督は思いきったことをする」と謙遜しながらも、スタメンから外れた“打者大谷”に代わる存在感を十分に放った。

 2回に犯した失策を悔やんでいただけに、汚名返上の一打だ。2回、二ゴロを悪送球。結果的に失点につながったことを反省していた。「何とかカバーできるようにと思った。3番は、後ろに中田さんがいるから気楽で打ちやすい」。楽天森の抜けたスライダーを、見逃さなかった。

 試練を乗り越え“居場所”を確保した。昨秋、2軍時代から慕い、内野守備を付きっきりでたたき込んでくれた三木コーチ(現ヤクルト)が退団。秋季キャンプでは、新しく就任した白井内野守備走塁コーチ兼作戦担当から連日のように怒鳴られたが「内野手はやめへん。三木さんに恩返しする」と、歯を食いしばって練習に励んだ。女性からの人気が高く、一見“今風”の軽さで年長者からは勘違いされることもあるが、芯は面倒見のいい熱血漢。大谷や上沢らを車に乗せ札幌ドームへ通勤したり、食事に出かけたりと、高卒入団選手には“遥輝信者”が多い。

 次世代のスター候補が次々に芽吹く今春。背番号26も、負けじと躍動する。【中島宙恵】