<ロッテ4-3楽天>◇11日◇QVCマリン

 あの男が帰ってきた。楽天青山浩二投手(30)が今季初昇格し、ロッテ戦で早速、今季初登板を果たした。3-4の8回に4番手で登場。打者3人を完璧に抑えた。チームは敗れ、今季2度目の3連敗。昨年5月6日以来の借金を作ったが、救援陣に頼れる右腕が戻ってきた。

 久しぶりの1軍マウンドにも、青山は動じなかった。1点を追う8回。味方打線の逆転を信じ、プロの仕事に徹した。岡田を空振り三振。鈴木を右飛。最後は、吉田を再び空振り三振。ロッテ打線を3人で仕留めた。いずれも、ストライク先行だった。逆転はならなかったが「下(2軍)でやって来たことが出せたと思う」と振り返った。

 プロ9年目は、悔しい幕開けだった。昨季はチーム最多の60試合に登板したタフネス右腕も、オープン戦終盤に調子を崩した。3月28日の開幕戦。ブルペンに、青山の姿はなかった。2軍スタートだった。ただ、若手と交じる日々を前向きに捉えた。「もう1度、作り直そう」と切り替えた。自分に足りないものは何か、見つめ直し、走り込み、投げ込みを増やした。2軍戦3試合に登板し、計6イニングで4安打1失点(自責0)。結果を残し、1軍に戻ってきた。

 2軍首脳陣に「気持ちよく、やらせてもらった」と感謝している。大久保監督や酒井投手コーチから「スライダーは良くなっている。フォークを多めに練習しよう」とアドバイスを受けた。実戦で積極的に使い、「思ったところに落ちるようになった」と自信を取り戻した。

 この日の試合前には「見返すつもりでやります」と気持ちを高ぶらせていた。温厚な人柄だが、内に秘めるものは熱い。8回に名前がコールされた時、敵地に詰め掛けたファンから声援が上がった。みんな、青山の帰りを待っていた。「中継ぎの若い子の登板が多くなっている。自分が休んだ分、これから頑張りたいです」。負け試合に笑顔はなかった。次は、笑ってみせる。【古川真弥】