<阪神5-1巨人>◇11日◇甲子園
マートンの3ランを確認すると、阪神ランディ・メッセンジャー投手(32)はキャッチボールを中断してグラブを3度たたいた。3点のプレゼントには、おつりが出るほどの好投だった。最速153キロの直球を外角低めにコントロールし、8回4安打1失点。5四球を出したものの、126球の今季初勝利で投壊にあえぐチームを救った。
「何とかゲームを作れた。勝つチャンスを与えられてよかった。四球は多かったけど、粘れたよ」
巨人打線に的を絞らせなかった。4回までは巨人杉内とともに無安打投球。「しびれる展開で、いい投手。負けられないと思った」と気合が入った。1点を失った8回には最後の気力を振り絞った。1死一、二塁から村田を併殺に打ち取ると、何度もガッツポーズを作って、ほえた。
巨人を倒すために阪神残留を選んだ。右腕にはメジャーに復帰する選択肢もあった。だが、「阪神への愛着と優勝したい思い」が残留を選ばせた。巨人を倒さなければ優勝はない。昨季巨人とは先発で対戦がなく、再来日した際から「投げたい」と口にしてきた。
「前回(3月29日)もチームは勝ったし、今日も勝った。何とか勝たないといけないからね。それができてよかった」
12年9月5日、甲子園で完封して以来の巨人戦白星。当時は来日3年目。翌年の契約は球団側に選択権があった。立場が変わり、勝利の味も違った。自宅に飾ってあるという2年前のウイニングボール。飾るのは同じ棚でも、思い入れは格別のはずだ。
家族の存在も大きい。甲子園での登板には必ず足を運んでくれる。この日は夫人の友人夫婦まで応援に駆けつけた。「下の子が疲れて、早く帰りたがっているから」。チームを救ったパパは最高に格好良かった。【池本泰尚】



