<ヤクルト8-9巨人>◇16日◇神宮

 ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、熱くなった。7-8の9回2死、巨人マシソンの151キロをフルスイングで左翼席へ運んだ。土壇場で出たリーグトップとなる7号同点ソロに、自然と感情があふれ出た。

 その直後、足を止めマシソンとにらみあった。本塁を踏んだ直後にマウンドに向かい、両チーム総出の乱闘騒ぎになった。「お互いにエキサイトしてしまった」と反省しつつ「白熱した試合で本塁打のうれしさを表現したつもりだけど、向こうは気に入らなかったのだろう。間違ったことはしていないつもり」と、淡々と振り返った。

 8回には適時打で4得点の勢いをつくった。終盤の勝負どころでの2打点に「乱打戦で打てて、やるべきことはできたと思う」とうなずいた。だが、救援陣が踏ん張れずに連勝が止まった。試合後は、乱闘騒動時とは一変し、無表情で引き揚げた。