<巨人5-3中日>◇18日◇東京ドーム

 内弁慶なのか。中日がオレンジ色の東京ドームに沈んだ。前夜にサヨナラ勝ちを収めてDeNAをスイープした勢いはどこへやら。今季これで敵地で1勝5敗。7連勝で8勝4敗のナゴヤドームとはあまりに対照的だ。

 名古屋を離れるとなぜか勝てない。帰りのバスへと歩く谷繁元信兼任監督(43)は「どうしても先取点を取られてしまう。それが1、2点で済めばいいんだけど」と要因を分析した。

 追いかける展開ではどうしても乗れない。2回。左腕岡田俊哉投手(22)が新人小林にプロ初適時打を許して先制点を献上すると、制球も定まらず腕も縮こまるの負の連鎖。3回には1死一、二塁から長野に左翼越え3ランを浴びた。ナゴヤドームなら左飛になっていてもおかしくないギリギリの本塁打で大量リードを許した。

 4万6000人を超える観客。しかもこの日は巨人のレプリカユニホームが観客に配られドームはオレンジ一色だった。その景色に圧倒されたわけではないだろうが、4回7安打5失点と撃沈。「もっと堂々としっかり、打たれることを怖がらないで腕を振らないと…」。今季2敗目に、22歳は目もうつろだった。

 指揮官はナインを奮い立たせるように言った。「こうやってみんなで少しずつ成長していけばいいんじゃないですか」。岡田だけではない。3試合連続2桁安打の打線も、爆発力を欠いた。「借りてきた猫」では、浮上することが出来ない。【桝井聡】