<楽天5-7西武>◇23日◇コボスタ宮城

 四球で負けた。楽天が今季ワーストの12与四球が引き金となり、西武に今季初黒星。勝率も再び5割に逆戻りした。先発のルーキー、松井裕樹投手(18)が8四球、3番手のベテラン斎藤隆投手(44)が3四球と相手に好機を献上。前夜の劇的なサヨナラ勝ちから一転、コボスタ宮城にはため息があふれた。

 前夜の息をのむ投手戦とは真逆の展開だった。この日四球が絡まなかった失点は4回だけ。12与四球で今季の四球数はリーグ最多の85に膨れ上がった。試合後、星野仙一監督(67)は「四球だらけじゃ戦いにならない。まずストライクを投げること」と、厳しい表情で投手陣の奮起を促した。

 ルーキー松井裕の大乱調から始まった。制球が定まらず、1回から5人を歩かせ先制点を献上。2点を勝ち越した直後の5回の3失点も、1死一塁から浅村へのストレートの四球が傷口を広げた。この負の流れをベテラン斎藤も止められず。5-5の8回に3四死球で満塁のピンチを招き、熊代に決勝の2点適時打を許した。斎藤は「松井(裕)どうこうではない。全て自分の調子の悪さ。10年以上プロでやっているのに、そういう流れを作ってしまったのはいけない」と、敗戦の責任を背負った。

 この投手陣の課題に、星野監督は以前から苦言を呈してきた。球団新記録の24安打で17点を奪って勝った12日ロッテ戦(QVCマリン)後。大勝にもかかわらず、7つの四球を与えた投手陣に対し、「どうしようもない」と厳しい言葉を投げかけた。サヨナラ勝ちした前日22日は、無四球1失点でつないだ5人の投手を「100点をあげたい」と評価していたが、一夜にして逆戻り。なかなか克服されない現状に、いら立つのも無理はなかった。

 野手が助けることができない悪いリズムは、打線にも響いた。1回の守備時間は21分で、5回は20分。中盤までは西武野上の不調もあって5点を奪えたが、6回以降は、無四球の相手リリーフ陣の前に1安打しか放てなかった。

 試合後、松井裕の2軍降格が決定。今日24日の西武6回戦は場所を東京ドームに移す。気持ちを切り替えて臨む一戦。星野監督も、「明日はやってくれるでしょう」と、大きな期待を込めていた。【佐竹実】