強い広島にロックオンする。巨人は24日、マツダスタジアムで全体練習を行った。今日25日から敵地での3連戦に臨む。原辰徳監督(55)は「投打のバランスが取れている」とカープをライバル視。「今はデータを取って、先の戦いに準備していく面もある」と1、2位の直接対決に向かうテーマを定めた。長いしのぎ合いを制するため、生きた情報を集積する。

 開幕から対戦が一巡し、原監督は分かった。「5球団を見てきたけど、広島は非常にいい戦い方をしている。データとしても、印象としてもある」。自分たちの野球に徹して勝ち抜く王道のスタイルがある。一方で、手ごわいと相手を見定め、徹底的に意識した上でたたくスタイルもまた、伝統として持つ。近年では落合中日、岡田阪神が代表的。昨季終盤から続く勢いは本物と踏み、14年の広島をここに加えた。

 戦い方が似ている。ディフェンスが堅く、足があり、得点力の高い中軸を持つ。だからこそ丁寧な研究が必要で、今季初めての敵地3連戦は格好の舞台となる。選手も理解している。明日26日に先発予定の大竹は「個人的なことは特に」と、古巣相手の初登板を度外視。「チームが勝つために投げる。スコアラーの方に話を聞いて」と役割を果たす。続くエース内海は、前回の広島戦で危険球退場している。それでも「僕の球速ではインコースに投げないと抑えられない。しっかり投げます」と、内角のデータを集積する。

 DeNAとの九州2連戦は、複雑なサインに選手が応え、接戦を取ってきた。原監督は「今、ベンチからのシグナルに応えられない選手は、ウチにはいない。相手が『何をやってくるか』と疑えばいい」。一丸でライバルの上をいく。【宮下敬至】