<日本ハム1-9ロッテ>◇25日◇札幌ドーム

 勝利のハイタッチを交わして、ベンチ裏に引き揚げたロッテ成瀬善久投手(28)は、自分の頬をピシャッとたたいた。「まあ、まあ、ん~、勝ったからいいでしょう。でも、あそこまでいったら完封しなくちゃいけなかった。最後、へばってしまった」。1年ぶりの完投勝利にも、反省ばかりが口をついた。

 わずかの差で完封を逃した。9回1死一、三塁。ミランダに右翼へ大飛球を打たれた。右翼手が捕球した時、一塁走者の中田が三塁手前まで走っていた。ボールは一塁に転送され、併殺でゲームセット。しかし、その数秒前、三塁走者の陽がタッチアップでホームインしていた。

 腕を振って直球に魂を込めた。27個のアウトのうち、15個が直球を決め球にして奪ったもの。キャンプからテーマにしてきた「強い直球」が投げられるようになってきた。オープン戦では空振りも奪えなかった直球が、キレを増していた。「狙いすぎたらダメ。腕を振った中で打たれたら、甘くいっても詰まったりしてくれた。でも、その分、スタミナがなくなったかな」と自己分析した。

 試合後の反省は普段よりロジンを触る回数が少なかったことにまで及んだ。それほど完封を逃したことが悔しかった。「勝つことに僕の存在意義はあると思っている」という誇り高きエース。左肩痛に苦しんだ昨季からの完全復活が近いことを予感させた。【竹内智信】