西武が、米ブレーブス傘下3Aグウィネットのアーネスト・メヒア内野手(28)の獲得調査に動くことが25日、分かった。最下位に甘んじる現状を打破するため、緊急補強に着手。米球界を中心に複数選手をリストアップし、昨季までマイナーで3年連続20本塁打、80打点をマークした大型一塁手に白羽の矢を立てた。また、ソフトバンク4回戦(ヤフオクドーム)から主砲の中村剛也内野手(30)も戦列に復帰し、1回の今季初打席で先制の2点V二塁打。12球団ワースト得点の打線が、強力クリーンアップで巻き返しを図る。

 西武が逆襲への切り札獲得に動く。伊原監督が「なんと言っても打線。点さえ取れれば勝てるようになる」と話すように、補強ポイントは明確だった。開幕ダッシュに失敗し、大きく黒星が先行する状況を打破すべく、強打者の補強は急務だった。

 メヒアは05年から米マイナーでプレー。メジャー経験はないが、ここ3年間のマイナー成績は78本塁打、274打点、打率2割8分と安定した数字を残す。身長196センチ、体重118キロの大型一塁手でパワー、アベレージとも兼ね備える。今季はここまで20試合に出場し、24打点はインターナショナル・リーグ1位。同2位の7本塁打、同4位の打率3割5分4厘と絶好調で、第1週のリーグ週間MVPにも選出された。ブレーブス球団公式ホームページには「日本の球団が興味を示している」との記事も掲載されている。

 巻き返しの準備は整いつつある。この日のソフトバンク戦から背中の張りで2軍調整中だった主砲中村が1軍に合流し、「5番一塁」で即スタメン出場。昨季打点王の浅村にメヒアも加われば、破壊力抜群のクリーンアップが完成する。もちろん1発だけではなく、好打者の栗山、俊足の木村、ベテランの森本、脇谷、渡辺らとの融合で打線は厚みを増し、相乗効果は計り知れない。

 またメヒアの本職は一塁だが、外野の経験もある。復帰明けの中村の負担を軽減させ、DHで併用することも可能になる。交流戦前に補強に動くことは、08年以来6年ぶりのリーグ制覇も諦めていないという、球団の強い意志も明確に示されている。チームの窮地を救うべく、フロント、現場が一枚岩となって逆襲を開始する。

 ◆アーネスト・メヒア

 1985年12月2日、ベネズエラ・グアナレ生まれ。ブレーブス傘下3Aグウィネット所属の一塁手。05年からマイナーで10年間プレーし、通算864試合で打率2割8分1厘、146本塁打、572打点。メジャー経験はなし。09年オフ、12年オフにベネズエラ・ウインターリーグMVP。今季は開幕週にインターナショナル・リーグの週間MVPに選出され、ここまで20試合で打率3割5分4厘をマークしている。右投げ右打ち。196センチ、118キロ。