<DeNA4-14阪神>◇25日◇横浜
表情はさえなかった。序盤から大量援護を受け、阪神能見篤史投手(34)は淡々と腕を振った。4回までは2安打無失点でわずか49球で終わらせた。この流れなら完封、完投も…。だが、投手心理は微妙なものだ。5回にバルディリスにソロ、6回に梶谷に2ランを被弾し、反省から口にした。
能見
(完投は)もちろん今日はそれをね。点をとってくれるだけありがたいので(リズムが狂うことは)関係ない。でも勝ち星がつくのはいいことなので。
思わぬハプニングもあった。5回に捕手藤井が負傷交代。フォークを多めに要求し、長所を引き出していた愛妻から、シーズン初コンビの鶴岡に代わった。「藤井さんのせいです(笑い)。鶴さんには悪いんだけど、試合の途中で捕手が代わるとすごくリズムが狂うんですよね」と冗談交じりに難しさを口にした。2被弾もその直後だった。
笑い話に済ませられるのも勝ったからこそ。7回3失点でまとめて4勝目。ハーラートップの巨人菅野に並んだ。開幕戦は崩れたが、それ以降は状態を上げて4連勝。月間4勝は09年9月、11年10月と並び自身最多。4月に限れば、4勝は自身最多だ。
打ってもらしさを出した。5点を奪った3回には、先頭打者として口火を切った。フルカウントから直球を逆方向へ。藤浪のプロ初本塁打には「なんか、悔しいですね」と笑わせていたエースの“専売特許”だ。それでもバント失敗で連続三振を喫し「バントが出来ないから。バットに当たらない」と笑顔はなかった。
応援歌の後押しがある。今季から能見の打席では個人の応援歌が流れている。「♪鉄の左腕がうなりを上げる~」。キャンプ中に能見がメディアを通じて応援団にリクエストした。打撃練習に多くの時間を割く左腕にとって大合唱は頼もしい限り。だが投球も打撃も満足には程遠い。エースの目指すものはもっと先。鉄の左腕は、これからうなりをあげていく。【池本泰尚】
▼能見が4月3日中日戦(京セラドーム大阪)から4試合連続勝利。能見の4連勝は、13年5月6日巨人戦~6月8日ロッテ戦5連勝以来(勝敗無関係1試合挟む)。登板した4試合での4連勝となると、11年10月5日ヤクルト戦~同22日広島戦以来3年ぶり。



