<ヤクルト8-4中日>◇26日◇神宮

 連敗を9で止めたヤクルトナインが、ベンチから飛び出した。11日ぶりのハイタッチの儀式に、笑顔が広がる。小川淳司監督(56)は「ホッとしちゃいけないんだろうけど今日いっぱいは喜びます」と、ほおを緩めた。

 苦境打破に必死なチームの中心には、畠山和洋内野手(31)がいた。8連敗となった24日の試合後、クラブハウスで選手だけの緊急ミーティングを提案。「シュンとなっている。元気を出して前向きにやろう」と呼びかけた。まだ4月。心が折れてはいけない。「1日でも早く勝って『さあ、ここから』ってなれるようにしないと。去年まで宮本さんがしていたのを見ていましたから」と、苦しい時に鼓舞していた宮本慎也氏(日刊スポーツ評論家)の姿が頭にあった。

 本来は奥手。こういうことをするガラではない男の心意気にナインも反応した。この日、バレンティンは「勝つために何かを変えないと」と丸刈りにして登場。「左投手、右投手」の順で行う打撃練習を逆にするなどルーティンも変えた。

 首脳陣も1つの決断を下した。開幕戦満塁弾のドラフト2位西浦を2軍に降格させた。打撃不振でも1軍で育てる方針だったが、チームは下位に低迷。守備にやや不安はあるが打撃が売りの荒木を昇格即先発で使い、一戦必勝の陣容を整えた。一塁側ベンチには、スタッフが清めの塩を盛った。

 全員の負けたくない思いが、やっと1つになった。川端慎吾内野手(26)は「ここ2、3試合でみんなの気持ちが違った」と先制適時打に2戦連続弾。前日25日に一邪飛を失策して失点を招いた畠山も、適時打と6点目となるソロ本塁打で投手陣を勇気づけた。小川監督は「ミーティングをしようって言いだしにくいもの。自覚がちょっと出たんじゃないかな」と畠山の成長を喜んだ。

 まだ借金は10。畠山は「チームの力がないと分かった上で戦っているつもり。危機感はみんな持っている」と現実を見据え、喜びは控えめ。それでも「9連敗した分を取り返すつもりでやりたい」と、力強い言葉で締めた。【浜本卓也】