<広島3-4阪神>◇14日◇どらドラパーク米子

 希望の詰まった敗戦だ。広島は阪神に競り負け、今季初の「貯金13」到達は逃した。4番エルドレッドが13打席連続無安打と不振に陥った一方で、9回には5番キラが4月5日DeNA戦以来となる1発を場外へ。1軍再昇格したばかりのドラフト4位西原も3回無失点と結果を出した。明日16日からは2位巨人との敵地3連戦。交流戦開幕前の勝負どころに向け、下を向いている暇はない。

 試合後、野村謙二郎監督(47)はスッと背筋を伸ばし、冷静に振り返った。「西原が3回をゼロに抑えてくれた。中継ぎが頑張ればご褒美があるよと、ベンチで声を出していた」。前日13日阪神戦は延長12回の死闘を制し、「座っていいかな」と珍しく椅子に腰かけて会見した。競り負けたこの日は力強く立ち、前向きな要素を口にした。

 米子2連戦を1勝1敗で終えた。阪神の先発岩田を打ち崩せなかったが、ポジティブな姿勢は評価した。1回裏は1番梵が右翼線二塁打で動揺を誘い、2番菊池が犠打に成功。3番丸が左翼線適時二塁打を放った。3人とも初球で勝負を決め、わずか3球での先制劇は見事だった。

 「前半にもっと点を取れていたら良かったけどね。難しいボールに手を出しすぎたのはあるけど、積極的に行くのはいいことだから」。逃げた結果の沈黙ではなかった。

 ローテの谷間で今季初先発した小野は5回3失点と粘った。野村監督は4回途中で自らマウンドに歩き、「十分やっとるじゃないか!」とゲキを飛ばした。

 2点ビハインドの6回から登板したドラフト4位西原は3回5奪三振の3安打無失点で流れをつなぎ、1カ月近い2軍調整期間の成果を披露した。9回は永川が左ふくらはぎに打球を受けるアクシデントで降板し、急きょ登板した中田が1失点する不運。それでも2点を追う9回1死で5番キラが右翼場外に消える特大弾。4月5日DeNA戦以来の1発となる4号ソロで、今後につなげた。

 下を向く内容の敗戦ではない。気持ちを切り替えるだけだ。明日16日からは3ゲーム差の2位巨人と敵地3連戦を戦う。初戦からドラフト1位大瀬良、前田、バリントンの順番で3本柱をつぎ込み、必勝を期す。【佐井陽介】