<オリックス4-1ソフトバンク>◇16日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンク内川聖一外野手(31)の手負い弾は、空砲と化した。右臀部(でんぶ)痛がぶり返す中、4回にオリックス金子から左翼5階席へ先制ソロを運んだ。今季2度目の逆転負けながら、レギュラーの自負を一撃に込めた。両軍が復刻ユニホームを着用した“南海VS近鉄”による首位攻防は初戦を落とし、0・5ゲーム差に迫られた。

 内川の感想が金子の強さを物語った。4回。カウント3-1からの5球目。「いい投手すぎて割り切れる。ちゃんとやっても打てないですから」。ヤマを張っていたところへ、制御ミスで高く浮いた直球がきた。決め打ちで強振した打球は左翼5階席まで伸びた。3回の守備で中村がダイビング捕球した直後。「晃(中村)のプレーを見て気持ちが入った。打てると思いました」と心も奮った一振りだった。

 客席に展開された横断幕型の巨大広告にある「検索」の文字の横に着弾した。今の内川はコンディション不良のままグラウンドに立つ道を模索中だ。右臀部痛がぶり返し、再び左翼守備を回避し、2戦連続のDH。「軸足に(重心が)乗らない」と表情はさえない。守備、走塁も苦しい中、8回は併殺封じのスライディング。普段から「痛くても出られるなら仕事をするのがレギュラー」と言う。誇り、読み、技術で放った手負い弾だった。

 首位攻防3連戦は両軍が復刻ユニホームを着用し、「南海VS近鉄」が、よみがえった。ソフトバンクは南海の72~76年モデル、オリックスは近鉄の66~73年モデル。今回のユニホームが重複している72、73年は南海が30勝21敗1分けと勝ち越し、73年には前期優勝を果たしているが…。この日は逆転負けで初戦を落とし、オリックスに0・5ゲーム差。京セラドーム大阪では3戦3敗と今季唯一勝てていないビジター球場とマイナス要素が並ぶ中、内川の意地がスコアボードの「1」にこもった。【押谷謙爾】