<ソフトバンク2-1広島>◇21日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクの新1、2番コンビが連勝を呼んだ。6回に「1番二塁」で今季初先発した明石健志内野手(28)が三塁打で出塁すると、続く今宮健太内野手(22)が先制打。同点の8回は明石が好機を広げ、再び今宮が決勝打を放ち、ヤフオクドームで広島に8連勝。主軸が無安打でも強いバイプレーヤーたちで競り勝った。

 格好はつけない。今季初のお立ち台。明石の口をただ純粋な思いがついた。「充実しています。久々にスタメンで出て楽しく野球ができました」。率直な喜び。控え選手たちの思いも代弁していた。

 前日300盗塁を達成した本多に代わる「1番二塁」で今季初先発。開幕44戦目だった。「オーバースイングしないことを考えた」。6回無死。広島九里から中越え三塁打で出塁し、続く今宮の中前打で生還した。同点の8回は無死一塁から左前打。無死一、三塁とチャンスを広げ、今宮の決勝打につなげた。「最高の準備をして最高のプレーをできるようにしたい」。信念に猛打賞と勝利という結果が伴った。

 新1、2番の的中にも、秋山監督は「当たったというより、応えてくれた。期待はみんなしている」と冷静だ。本多が打撃低調で明石起用に踏み切った。「練習からしっかり自分の形を崩さず、ワンチャンスにかけてこういう結果になったんじゃない」。控えでの取り組みも見て判断した。

 明石は2年前には135試合に出場。球宴にも初出場した。だが今宮の台頭や腰や右膝の故障で、控え続き。「気持ちが折れそうな時があった」が、昨秋から「壊れない体づくり」に専念。練習開始の遅いビジターでは午前中にジムに通うなど、準備は怠らずにいた。もともと能力の高さは折り紙付きで、トレードで獲得を熱望する球団は少なくない。それでも腐らず、ワンチャンスをものにした。

 直前5試合で2安打の今宮は2安打2打点。「打てないと考えすぎてしまう」。邪心を振り払うため「気の済むまで打ってやろう」とこの日は早出特打に加え、試合直前にマシン打撃をして理想のスイングに仕上げていた。「本多さんでも外される。ずっと危機感はありますよ」。お立ち台を降りた直後、今宮はそう言った。

 3番から6番までが無安打でも競り勝った。12球団屈指の選手層を誇り、虎視眈々(たんたん)とレギュラーの座を狙う選手がごろごろいる。長いシーズンを戦う上で最大の強みをみせた。ヤフオクドーム9連勝で5月は7戦全勝。セ首位の広島には本拠で4年間負けなし。ファンも底力を感じたに違いない。【押谷謙爾】