<オールスターゲーム:全パ0-7全セ>◇第1戦◇18日◇西武ドーム

 ヒゲよ伸びろ、Vまで伸びろ!?

 阪神マット・マートン外野手(32)がヒットマンの貫禄を示した。左翼守備から途中出場し、7回の第1打席でクロッタの初球スライダーを中前にはじき返した。「自分も楽しんで打席に入った」と振り返る。これで4度の球宴すべてで安打を刻んだ。

 試合前もユニークな話題でわかせた。もっとも注目を集めたのは、いまやトレードマークのあごヒゲだ。

 「暑くなってきたし、そりたい気持ちが強いけど、ツイッターでファンに聞いたら、200票がそのままで、そるのは10票だけ。ファンの願いに従うよ」

 6月ごろから同僚ゴメスとともに、あごヒゲを蓄え始めた。7月に入ると、ともに打撃は好調。そるにもそれない状況に陥ってしまった。公式ツイッターで「オールスターに向けてヒゲを残すかそるか…。選んでください」と異例のアンケートを実施したが圧倒的に「Keep」が多かった。

 「1日1日、ずっと伸ばせば、優勝するかもしれないだろ。その時まで、とっておこうかなとも思う。でも、いま暑くなってきて、8月になると…。そらない約束はできないけどね」

 マートン自身は「ここまで伸ばしたことはない。長くても1週間から10日だった。どこまで伸びるか興味があったんだ」と笑う。そればスッキリするが、ファンの声も大切にしたい。猛暑を前に、助っ人はジレンマと戦っている。ヒゲを伸ばして、白星の数も伸び続ければ最高だが…。今日19日の第2戦は「4番左翼」で先発予定。あごヒゲをさすりながら、大谷に快音を浴びせたい。【酒井俊作】