ハタチの夏男がG倒の主役になる。中日高橋周平内野手が今日25日からの巨人3連戦(ナゴヤドーム)に向けて牙を研いだ。夏場に強いサマーボーイは前カードDeNA3連戦で今季1号を含む12打数6安打。6・5ゲーム差の首位巨人には前回、東京ドームで3連敗した借りもある。周平よ、竜党に真夏の夢を見させてくれ!

 真っ黒に日焼けした高橋周が24日、フリー打撃で鋭い当たりを連発した。前カードのDeNA戦では3試合連続でスタメン起用され、1号を含む12打数6安打と乱れ打ち。状態の良さが際立つ20歳は「いいか悪いかは分からないけど、ノー感じということはないので、ある程度は勝負できるかなというのはある」と巨人戦に向けて胸を張った。

 夏になれば燃え上がる。高橋周は夏が似合う夏男なのだ。昨季は8月1日阪神戦(甲子園)で衝撃的な満塁アーチをバックスクリーンにぶち当てた。プロ入りしてからの2年間は夏を境に成績が急上昇する。「たまたま夏場に1軍に上がってるからですよ。気にしてないです」と苦笑いだが、夏型の気圧配置に背中を押されるのは間違いない。

 フォーム改造も功を奏した。今季初昇格した14日から長嶋コーチと試行錯誤。右足をゆっくり上げる「間」の取り方がはまり、横浜で爆発した。ルナ、平田がけがで離脱中。21日DeNA戦で頭部死球を受けた和田も出場が微妙だ。柵越えの力を持つスラッガーにかかる期待は大きい。「今やっていることを継続していくだけ」と目を輝かせた。

 巨人とは今季3勝9敗と負けが込み、全4カード連続負け越し。前回対戦で痛恨の3連敗を喫した。だが高橋周にとっては今季初めての巨人戦。昨季8月18日には今日先発の菅野からは右越えの2ランを放ち、マウンドから引きずり下ろした。「出るからには迷惑かけたくない。自分のできることをしっかりやる」。反攻に転じることができるか。大逆転Vの使者になるのは夏男の背番号9だ。【桝井聡】

 ◆前回巨人戦(東京ドーム)の3連敗

 7月4日は先発大野が6回4失点と踏ん張れず。1点差に迫った8回、一塁走者和田に打球が当たり守備妨害を取られるなど3-4で競り負け。5日は2点リードで7回途中から投入した浅尾、福谷、又吉の勝ちパターン3投手が打たれて6-7のサヨナラ負け。6日は8回に救援の田島が高橋由に決勝打を浴び1-3で敗れた。3連敗で首位巨人と9ゲーム差に後退した。