エースを狙え!

 阪神マウロ・ゴメス内野手(29)が24日、今日25日広島戦で初対戦する前田攻略を誓った。昨季まで虎を苦しめた先入観はない。「マエケン」と聞いても、きょとんとした表情が頼もしい。

 首をかしげながら「僕は知らないよ」と言う。球宴で先発した投手だと伝え聞くと、うなずく。「いい投手だというのは聞いたことがある。いつも打ちたいと思っている。一生懸命やるだけ」。今季は全87試合で4番を打ち、打率2割9分、17本塁打、73打点は期待通りの成績だ。ナインが苦手とする前田との初対戦に気後れするところはない。

 昨季、阪神の行く手を阻んだのが前田だった。直接対決6試合で4勝1敗、45回で自責はわずかに2。驚異の防御率0・40と完璧に封じ込められた。クライマックスシリーズでも圧倒的な力で封じ込められた。過去3年でも9勝3敗と、阪神戦に無類の勝負強さを誇る。そんなエースを打ち砕いてこそ活路は開ける。

 各球団のエース格投手と堂々と渡り合う。中日山井から11打数5安打、打率4割5分5厘で1本塁打。巨人菅野も6打数3安打と苦にしない。オリックス金子に安打を浴びせ、好勝負の期待大だ。前日23日巨人戦で17号2ランを放ち、上昇ムード。しかも、対戦球団最多の4本塁打を放つなど好相性の広島戦だ。苦手意識がない主砲が打倒マエケンの先頭に立つ。【酒井俊作】