<広島6-1阪神>◇27日◇マツダスタジアム

 突っ走ってきた虎も夏バテ!?

 阪神が2試合続けて初回の速攻から逆転負けした。2回以降は、打線もつながらず息切れ状態。ルーキー梅野がスタメンから外れ、チームも元気なく7月初の連敗を喫した。細かいミスも出て、和田豊監督(51)は「負けるべくして負けた」とムッツリ。猛暑の日本列島、虎党の不快指数をこれ以上、上げんといてや~。

 夏バテなのか。要所で打てない、要所で守れない。虎のウハウハモードが止まった。「スミ1」でモタモタして、連夜の2桁残塁。元気に走り回るコイにアタフタして、連夜の適時失策。絶好調の7月、ついに初連敗だ。和田監督も嘆く、必然の負けっぷりだった。

 和田監督

 負けるべくして負けたところがある。こっちの問題だな。打つ方がやってはいけないことをやってしまって、守る方でやるべきことができなかった。昨日と同じように。

 「打つ方」は9安打した。初回に6球で先制。快調な滑り出しは一転、1死一、三塁からマートンの二ゴロ併殺でしぼんだ。3点を追う4回は1死一、二塁で鶴岡が三ゴロ併殺。ゴロだけじゃなく、花火のような勢いもない飛球を10個も打ち上げた。指揮官も「やってはいけないこと、低めの変化球にバットが止まらんかった。低めでほとんどストライクない投手やからね。その下を振ってしまったら」とため息だった。

 「守る方」は集中力を欠いた。2回2死満塁での菊池の右前打では、鶴岡が福留の本塁返球を止められなかった。メッセンジャーはバックアップを怠り、白球がバックネットを転々。さらに1点献上した。6回には歳内が一塁へ悪送球して6点目を与えた。基本ができずに傷口を広げる展開。前夜にミスを嘆いた指揮官も、おかんむりだった。

 好調のシンボル「梅ちゃん」は最後まで出なかった。「梅野は休養?」の声に、和田監督は「それはそっちで判断して」と突き返し、山田バッテリーコーチは「休養ではない。鶴岡はそういう(代役の)選手じゃない」と説明した。試合前は打撃練習を行わず、普段より軽めの調整。最後までベンチにいた梅野は「何もないです。大丈夫です」とだけ話した。

 和田監督

 もう1回、甲子園に帰って、やり直すというか地に足をつけてね。

 5年ぶりの7カード連続勝ち越しを逃した。結果より、内容が問題の2つの黒星だ。首位巨人とのゲーム差は「2・5」に広がり、3位広島には0・5ゲーム差に迫られた。明日29日からはロード前最後となる甲子園での6連戦。間もなく90歳になる聖地で、立て直すしかない。【近間康隆】