デビュー前日のデモンストレーションだ。ロッテの新外国人アルフレド・デスパイネ外野手(28)が28日、本拠地QVCマリンで初めてフリー打撃を行い、驚きの1発を放った。27スイング目だった。外角低めの直球。逆らわずに放った打球はバックスクリーンの右側に飛び込んだ。百戦錬磨の伊東監督をして「あのコースを持っていくとは。オレがキャッチャーでも、投げさせる球がない」と、うならせる1発だった。

 これぞキューバの至宝という当たり。29スイング目にも推定飛距離135メートルの1発を左翼席の「みずほ銀行」看板の近くに当てた。「広角に打てるのは自分の持ち味。調子が良ければ、どの方向にも強い打球が打てる」という。時差ぼけもなくなり、今日29日の日本ハム戦には6番か7番、指名打者でのスタメンになりそうだ。

 試合勘も不安視されるほどには鈍っていないかもしれない。というのも、2週間ほど前までキューバのグランマというチームの一員として試合をしていた。5試合に出場し8打数3安打。「ほとんどが四球だった。でも選球眼がいいのは自分のスタイル」と、実戦で準備を整えてきた。

 今日29日はチケットと生ビールが半額になる。球団としても満員の客でデスパイネのデビューを迎えたい考え。「キューバの至宝

 デスパ・カクテル」まで発売し、勢いをつくる。「日本での最初の試合だし、興奮している」というデスパイネ。あとは、勝利に導く1発で、自らデビューを祝うだけだ。【竹内智信】