<ソフトバンク2-4西武>◇20日◇ヤフオクドーム

 疲労困憊(こんぱい)の西武が9連戦の最終戦を白星で締めくくった。1試合平均4時間17分を要した、前日までの8戦は1勝3敗4分けと苦戦した。それだけに異様に短く感じる3時間21分で勝利。1回に中村剛也内野手(31)の“幻弾”となった先制適時二塁打と、同点の6回に好調エルネスト・メヒア内野手(28)の豪快な24号決勝弾で効果的に得点を奪った。先発岡本洋も7回4安打1失点、自己最多10奪三振で2勝目をマークした。

 主砲の放物線が疲労感を吹き飛ばした。1回2死二塁の好機で中村が先制パンチを食らわせた。飯田の内角高めの直球を強振。左中間への放物線はフェンスの最上部付近まで到達し、審判団の手が回った。先制2ランかと思われたが、ビデオ判定で二塁打に変更。中村は「どん詰まりだったから。もともと入るとは思わなかった」と気にも留めず試合に集中した。

 同点に追いつかれた直後の6回にももう1人の主砲がかました。中村ではなくメヒアだ。1死一塁から飯田の内角高めの直球を左翼席に軽々と放り込んだ。「1打席1打席、チームのために立っている。きたボールを強く振るだけだよ」と2夜連発の24号決勝2ランにうなずいた。本塁打王争いで1位のオリックス・ペーニャまで3本に迫る1発で試合を決めた。

 田辺監督代行も2人の主砲に目を細めた。「5回に追いつかれて嫌な感じだったが、メヒアの2ランが大きかった。クリーンアップが仕事をしてくれたら楽だね」とたたえた。波に乗りきれない浅村を今季初めて1番で起用する荒療治も敢行。「動き、変化をつけたかった。当面は1番に据える」と、浅村が2安打を放ち、浅村本人にも収穫だった。

 9連戦は森のプロ1号からの3戦連発に沸いた。ルーキーに出番はなかったが、このカードの連敗を5で止めた。主軸が貫禄の仕事ぶりで9連戦を白星で締めくくった。【為田聡史】