<西武6-5オリックス>◇8月31日◇西武ドーム

 おかわりマンが必殺スペシウム光線をさく裂した。西武中村剛也内野手(31)が3戦ぶりの28号2ランを左翼席に放り込んだ。1回1死一塁。オリックス先発吉田一の初球だった。内角よりの142キロ直球を完璧に捉えた。打った瞬間に勝負が決する一振りで敵を秒殺。この時点では本塁打争いのリーグ単独トップに躍り出る1発は「ウルトラマンレオに力をもらいました」と地球の平和を守るスーパーヒーローの後押しを受けた。

 この日は「パ・リーグ親子ヒーロープロジェクト」として開催され、ウルトラマンレオとウルトラマンギンガが来場。直線的な光線で敵を倒す本家ウルトラマンとは対照的に、中村のスペシウム光線は大きな放物線を描く。天井に届かんばかりの打球には「ライナーだったら外野手にフェンス際で捕られる可能性がある。山なりだったらグラブは届かない」と必殺技の秘密が隠れている。

 子どものころに憧れた無敵のヒーローに触発され闘争心に火が付いた。8月は月間11本塁打を量産し、一気に本塁打争いに参戦。開幕当初はけがで出遅れたが「まとめて打てたことは良かった」と、帰ってきた主砲の快音はペースアップしてきた。4回にペーニャも28号ソロで追いつかれたが「全く気にしてないです」と地でいく。今季は交流戦以降、DHでの出場が続いておりグラウンドに立つ時間は短い。最長活動時間3分のウルトラマンのように、おかわりマンなら短時間で敵を倒せる。【為田聡史】