<楽天6-4ロッテ>◇16日◇コボスタ宮城

 これぞ、4番だ!

 楽天アンドリュー・ジョーンズ外野手(37)がロッテ戦で3安打3打点の大暴れ。1回に先制打を放つと、4-3の5回には23号2ラン。先発した松井裕樹投手(18)の本拠地初勝利を強力アシストした。チームは連敗を2でストップ。再びの最下位脱出へ、勝ち続けたい。

 チャララ~ン♪

 チャチャチャチャチャ、チャララ~ン♪

 心地よい秋風が吹くコボスタ宮城に「必殺仕事人」のテーマ曲が鳴り響いた。1回1死一、三塁。ジョーンズは大きな体で、のしのしと打席に向かった。ロッテの捕手田村に「グッドソング?」と声をかけると、マスク越しにうなずかれた。

 その後は、石川-田村のバッテリーと真剣勝負の幕が開けた。2球ボールの後の3球目。外に逃げるスライダーに空を切った。4球目は直球で内をえぐられ、ファウルでしのぐ。5球目。またも外へのスライダーだった。「しっかり振ることができた」。コンパクトに振り抜き、中前打で先制の1点を刻んだ。5回には、無死一塁で初球を左翼席中段へ運んだ。4-3からリードを広げる貴重な23号2ランだ。7回の内野安打とあわせ、3安打3打点の大暴れ。テーマ曲よろしく、4番の仕事で相手を仕留めた。

 「必殺仕事人」の曲を知ったのは最近のこと。5日から7日まで千葉でロッテと3連戦だった。田村が同曲を使用しているのを耳にした。音楽に国境はなかった。闘志をかき立てられるリズムが気に入り、仙台に戻った8日から使用している。もちろん、「仕事人」が何を意味するかも理解している。「田村は良い選手。僕が打席に入ると、丁寧にお辞儀してくれるんだ」。そう言って、ほほ笑んだ。

 9月は打率3割7分8厘、4本塁打、10打点と打ちまくっている。星野監督も「(本塁打は)大きかった。あれが本当の4番。今までは4番目のバッターだった」と、驚きを隠さなかった。好調の理由を聞かれたジョーンズは「いい形でシーズンを終わりたい。厳しい状況だけど、数字上、CSは不可能じゃない。全員で団結して、来年につなげるんだ」と力強く言った。仕事に徹し、1つでも多く白星を積み上げる決意だ。【古川真弥】