<西武6-3ソフトバンク>◇19日◇西武ドーム

 首位ソフトバンクはマジック点灯王手からまさかの3連敗となった。チーム最多11勝の中田賢一投手(32)が4回に西武のルーキー森に3ラン、6回は先頭メヒアにソロを浴びてKO。5回0/3を6失点と試合をつくれなかった。秋山監督は精神面での転換を求めた。今日20日に勝ち、2位オリックスが敗れるとM6が点灯する。

 ここにきて3度の足踏みだ。9月初の3連敗でM点灯はさらにお預けの「難産」。秋山監督の見立てはシンプルだ。「生みの苦しみというよりプレッシャーに負けている」。3年ぶりの優勝をすぐそこにしながら、見えない重圧と戦ってしまっているようだ。

 チーム勝ち頭中田をしても、である。指揮官の目にはそう映った。「中田もプレッシャーだろうな」。2回2死走者なし。カウント2-2からルーキー森に右中間へ二塁打され、秋山も同じカウントで左中間へ適時三塁打。ここ9試合で8度も先制を許した。

 4回は先頭浅村から2者連続四球に加え、2暴投もあり、無死二、三塁としてメヒアに適時打、そして再び森に右越え3ラン。秋山監督は「四球出て、暴投、ホームランにしたってなあ…」と勝負どころで粘れない姿を残念がった。6回も先頭メヒアを2ストライクとしながらソロを被弾して、タオルを投げ込んだ。

 今季西武ドームの中田は0勝2敗、防御率16・20と目も当てられない結果に終わった。「追い込んでから決められなかった。(優勝の)意識はなかった。試合の流れを渡したくなかったんですが。何とか1発だけはというのが四球になった」。先発の役目を果たせなかった自分の非を認めて、目線を落とした。

 ここ11試合で3勝8敗と失速しながら、オリックスも5勝6敗とペースが上がらず、残り8試合で2・5ゲーム差。足踏みでも有利な状況は変わらない。「プレッシャーを楽しまないと。ずっと踏ん張りどころだよ」。秋山監督は「4度目の正直」に向けて明るい声を発した。【押谷謙爾】

 ▼ソフトバンクは今日20日の西武戦に勝ち、オリックスがロッテに敗れると優勝マジック6が点灯する。一方、オリックスは明日21日に2位でもマジックが点灯する可能性があり、条件はオリックスがロッテ戦に2勝か1勝1分け、ソフトバンクが西武戦に2連敗でM10が出る。