巨人菅野智之投手(24)が初のタイトル奪取で、王者の誇りを見せつける。29日、ジャイアンツ球場で次回先発の10月1日のヤクルト戦(神宮)に向けて調整。「(優勝した)巨人の選手がタイトルを取らないと格好つかない」と言葉に力を込めた。

 勝ち星は阪神メッセンジャーに次ぐリーグ2位の12勝。防御率はトップの2・36だ。勝率は7割6厘で中日山井と並びリーグトップだが、規定により13勝以上を要する。あと1勝すれば3冠を狙える位置にある。チームは3連覇を決めたが「新聞を見て何で巨人が勝ったのかと言われるのがちょっと悔しかった」と言う。目立った数字を残した選手がいないという報道を見て、気持ちが奮い立った。

 巨人の投手では99年の上原(現レッドソックス)が、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率(当時セ・リーグはタイトル表彰なし)の4冠に輝いて以来、3冠以上取った投手はいない。菅野は「タイトルをとることで少しは巨人の選手としての誇りを示せるのかな」。状況次第では、首脳陣は最終戦となる10月5日の広島戦(マツダ)での起用も用意し、支援する。冠を奪い、心のしこりを取り除く。【栗田尚樹】