大失速しているソフトバンクが、総力戦で優勝をもぎ取る。今季初の5連敗を喫した札幌から福岡に29日、移動した。2位オリックスが楽天に勝ったため、最短Vはシーズン最終オリックス戦がある10月2日に先送り。勝てば3年ぶりのリーグ制覇が決まる。秋山幸二監督(52)は先発要員の武田翔太投手(21)のほか、帆足と飯田も1軍に上げてブルペン待機させる総動員作戦を明かした。

 「144試合目だからな。めいいっぱいやるしかない。オリックスの(それまでの)結果がどうなるか分からないけど、勝ったら優勝できるんだから」

 ここ10試合は1勝9敗。特に投手陣は3戦連続で押し出し四球を与えるなど自滅が目立つ。ピンチの芽を早めにつみ取り、総力戦で勝つ構えだ。帆足と飯田はこの日のウエスタン・リーグ阪神戦で1イニングずつ投げて調整した。

 今季登板7試合すべてに先発した武田も、西戸崎のブルペンで80球を投げた。「ファームでも中継ぎは経験してるし、総力戦ですから。勝てれば結果はどうでもいい。どんな形でも貢献したい。ガムシャラさを出していけばいい」と腕まくり。持てる力を発揮して、有終の美を飾る。【大池和幸】

 ▼オリックスが勝ったため、ソフトバンクの最短Vは10月2日まで延びた。ソフトバンクは2日のオリックスとの直接対決に勝てば優勝。今日30日にオリックスが敗れれば、引き分けでも優勝できる。オリックスの最短V決定日は同4日。ソフトバンクに勝てば楽天との残り3試合を1勝1敗1分けで優勝できる。